代官山 蔦屋書店は4月15日、書籍PRの黒田剛氏による初の著書『非効率思考 相手の心を動かす最高の伝え方』(講談社)の刊行を記念したトークイベント「非効率なのになぜかうまくいく仕事のやり方」を開催した。

著者の黒田氏
リアル会場とオンラインで同時に行ったイベントには、著者であるQUESTO代表取締役の黒田氏と、同書の編集を担当した講談社エディトリアル企画出版編集部副部長の下井香織氏の二人が登壇した。前半では編集者たちが日頃抱えている本のPRに関する悩みについて、同書の内容に触れながらアドバイス。後半では来場者からの飛び込みの質問や相談に応えた。

下井氏(左)、黒田氏(右)
黒田氏は冒頭で、会場に集まった約100人の来場者を前に「自分にもできるかも、ということを知って帰ってもらえる学びの場になれば」とあいさつ。自身の経歴とこれまでにPRを手掛けた主な書籍を紹介し、「著者や編集者、書店員の方々からいろいろなことを学んで、それを一つ一つ真似したり、試したりして作った」と刊行を支えた人々へ感謝を述べた。
同書は編集者の下井氏が2022年1月に、出版業界で評判だった黒田氏の書籍PRについて書いたウェブサイトの「note」の記事をきっかけに企画化。黒田氏は「あの記事が僕の人生を大きく変えることになり、その後PRの依頼が殺到した」と当時を振り返り、記事を読んだ人たちから集まったたくさんの感想をもとに、下井氏が本書のタイトルを提案したのだという。
前半のトークでは、編集者がPRについて困っているさまざまなことについて、スライドショーを交えてわかりやすくアドバイス。その中で黒田氏は、最初にできるPRとしてウェブの記事を書く、アプローチを恋愛で考えてみる、紹介されたり教えてもらったことは必ずやる、忙しい相手には記憶に残るキーワードだけを伝える、自分にやれることは全部やり、その中で良かったものをさらに磨き上げていく――など、同書にも書かれている数々の実践法を語った。
続く後半では参加者からの相談が相次ぎ、「自分で書いた本をたくさんの人に届けたい」「担当した本をさらに新規開拓して売り伸ばしたい」「初めてのジャンルの本をどうPRすればいいか」「うまく自分をPRするにはどうしたらいいか」などといった声に応じたほか、黒田氏が本のPRの依頼を受ける際に気を付けている点などについて話した。

大勢の参加者が詰めかけた
最後にサイン会が行われ、希望者に対し「僕もサインするが、皆さんにもサインをしてもらいたい」と、自身が着ていたTシャツの背中に参加者のサインを集めるユニークなスタイルで会場を賑わせた。

参加者のサインが寄せられた

『非効率思考 相手の心を動かす最高の伝え方』四六判/304㌻/定価1,760円(税込)
【『非効率思考』(講談社)の著者・黒田剛氏に聞く 書籍PRで数々のヒット作品手がける 「相手の心を動かす」全スキルを一冊の本に】