英明企画編集 バングラデシュの水問題から援助のあり方問う一冊

2023年4月17日

 

 

 英明企画編集(京都市・松下貴弘代表)は3月、立教大学異文化コミュニケーション学部・山田翔太研究員がバングラデシュの深刻な水問題について、フィールドワークで得た知見から問題の本質に迫り、解決策を提言した『バングラデシュの飲料水問題と開発援助──地域研究の視点による分析と提言』を刊行した。


 バングラデシュでは長年、同国政府や国際機関、NGOなどが飲料水問題に取り組んできたが、頻発するサイクロンや塩害、ヒ素汚染の影響もあり、安定した飲料水供給が実現できていない。


 NGOで飲料水に関する開発援助に携わったこともある山田氏は、同国南西沿岸部の農村でフィールドワークを実施。専門の南アジア地域研究、国際開発学の視点から同国の水問題を検証・考察し、安全で安価な飲料水を平等に供給するには「地域の視点」が重要であることを指摘している。


 英明企画編集・松下代表はターゲット層について「地域の事情と特性に沿った支援の考え方はバングラデシュの問題に留まらず、他地域での国際支援、国内の社会問題の解決にも役に立つはず。NGO、NPO関係者をはじめ、開発援助などに携わる人、関心を持つ人、幅広い層に参考となるのでは」とし、書店に向けては「地域研究、国際協力など、世界各国事情に関連する場所で展開してほしい」としている。


 A5判上製/224㌻/2970円(税込)