光文文化財団 第26回「日本ミステリー文学大賞」に有栖川有栖氏

2022年11月11日

 一般財団法人光文文化財団主催の第26回「日本ミステリー文学大賞」と第26回「日本ミステリー文学大賞新人賞」の受賞者が10月27日、発表された。同19日に開催された最終選考委員会で、日本ミステリー文学大賞には有栖川有栖氏が、日本ミステリー文学大賞新人賞には『60%』を書いた柴田祐紀氏が選ばれた。

 

 有栖川有栖氏は1959年、大阪市生まれ。小学5年生で推理小説を書き始め、中学3年生の時に江戸川乱歩賞に応募。以後、各賞への応募を続ける。同志社大学時代は推理小説研究会に所属し、卒業後は書店に就職。1989年、江戸川乱歩賞に応募した原稿を大幅に改稿した『月光ゲーム Yの悲劇88』が刊行されデビュー。92年に発表した「学生アリス」シリーズの「双頭の悪魔』が各ミステリー・ランキングで上位に入るなど、コンスタントに活動を続け、94年に書店を退職し専業作家となる。有栖川有栖をワトソン役とする二つのシリーズを軸に執筆し、火村英生が探偵の「作家アリス」シリーズでは第56回日本推理作家協会賞受賞の『マレー鉄道の謎』(2002) や『乱鴉の島』 (06) 江神二郎が探偵の「学生アリス」シリーズでは第8回本格ミステリ大賞受賞の『女王国の城』(07) などを生み出す。00年~05年、本格ミステリ作家クラブ初代会長を務める。また「有栖川有栖・創作塾」を開くなど、後進の育成にも力を注いでいる。05年~08年、19年から日本ミステリー文学大賞新人賞選考委員。

 

 新人賞の柴田祐紀 (しばた・ゆうき)氏は、1974年、秋田県由利本荘市生まれ。47歳。現在、秋田県由利本荘市に在住。会社員。