童心社の絵本『へいわって どんなこと?』 ポーランド語での朗読を配信 ロシア語でも準備

2022年3月18日

 ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続くなか、童心社が2011年に出版した日・中・韓平和絵本『へいわって どんなこと?』(作・浜田桂子さん)のポーランド語での朗読が、3月1日から配信されている。ウクライナの隣国であるポーランドには、戦火を逃れて多くのウクライナ人が避難してきているといい、ポーランドの子どもたちに平和への思いを伝える取り組みだ。現在、ロシア語での配信の準備も進んでいる。

 

 

『へいわって どんなこと?』(浜田桂子 作)童心社

 

 浜田さんが書いた『へいわって どんなこと?』は、日々の中にあるあたり前のことから、「平和」について考えることができる絵本。浜田さんら日本人作家が中国、韓国の作家に呼びかけ、「平和」をテーマに書き下ろした絵本を、それぞれの国でそれぞれの言語で出版することを提案。この「日・中・韓平和絵本プロジェクト」の第一期として、11年に刊行された。

 

 この本のポーランド語への翻訳は、滋賀大学とポーランドのヤギェウォ大学による交流プロジェクトの中で生まれた。2020年、両大学の学生がオンラインでつながり、お互いの国の文化・社会について交流。その中で、学生たちがポーランド語に翻訳し、映像化した『へいわって どんなこと?』を、ポーランドの子どもたちに向けて配信した。

 

 今年、ロシアの侵攻が始まってから、童心社に問い合わせがあり、著者の浜田さんと相談し、再びポーランド語での配信を始めた。ウクライナから多くの人が流れ込んでいる隣国の子どもたちに、この絵本を通じて、友だちになることの大切さなどを伝えたいという強い思いが込められている。配信期間は4月末までの予定。

 

 また、4月からは滋賀大学とヤギェウォ大学との共同プロジェクトで、『へいわって どんなこと?』のロシア語での朗読配信も行うことにしている。5月末までの予定で準備を進めている。

 

 ▽ポーランド語での朗読配信アドレス=https://www.youtube.com/watch?v=F0c-QX-zXYc