日本新聞協会 新聞の情報「毎日接触」は45・7% 2021年オーディエンス調査

2022年2月2日

 日本新聞協会広告委員会は1月20日、2021年「新聞オーディエンス調査」の結果を発表した。それによると、紙の新聞など様々なメディアで新聞社が発信する情報に「毎日接触する」という人は全体の45・7%だった。また、インターネットで入手するニュースも、新聞社発の情報が最も信頼度が高いことが分かった。

 

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新聞の情報に毎日接触する人は45・7%。まったく見聞きしないは29・0%だった。

 

 同調査は、紙だけでなくさまざまな形で読まれている新聞社発の情報や、新聞広告への接触状況、評価を把握する目的で実施している。今回は、全国の15歳以上79歳以下の男女1200人を対象に、21年10月に訪問留め置き法で実施した。調査では電子版やニュースサイト、SNSなどインターネット経由で見聞きされる新聞の情報を含め「新聞」として集計している。

 

 この調査では、新聞本紙の購読者を含め、何らかの方法で新聞の情報に接触する人を「新聞オーディエンス」と定義している。

 

 新聞に毎日接触する「エブリデーオーディエンス」は45・7%、週1回以上の「ウイークリーオーディエンス」は14・5%、月1回以上の「マンスリーオーディエンス」は3・4%だった。

 

 これに月1回未満、または普段は全く見聞きしないが、見る機会があるという「拡張オーディエンス」24・2%を合わせると、「新聞オーディエンス」は全体で87・8%にのぼる。

 

 新聞社発の情報に接触する「新聞オーディエンス」全体の平均年齢は49・5歳で、30代以下は30・2%を占めている。このうち新聞の情報に毎日接触する「エブリデーオーディエンス」は、40代以下が27・4%。「社会の中核を担う層や、若い世代にも新聞情報は届いていることが分かる」としている。

 

 普段は新聞を読まないものの、何らかの機会や場所によっては新聞の情報に触れる「拡張オーディエンス」の平均年齢は38・3歳、40代以下が8割を占めている。

 

 また、新型コロナウイルスの流行前と比較して、12・6%の人が「新聞の閲読時間が増えた」と回答した。平均閲読時間も、平日は3・3分、休日は2・6分それぞれ増えており、「コロナ流行後の新聞への接触は増加傾向にあることが分かる。人々の日常生活を一変させた新型コロナの感染拡大後、新聞社発の情報に対する関心は高まっている」と分析している。

 

 情報の種類別に、どのメディアから入手しているかを尋ねた結果、新聞は「世の中で起きていることの最新ニュース」(42・2%)、「世の中で起きていることの経緯・経過」(37・9%)、「テレビ・ラジオの番組情報」(35・6%)などが上位に挙げられた。

 

 特に、「地域(地元)の情報」(27・1%)、「お悔やみ情報」(同)、「人事情報(企業・教員・公務員等)」(16・9%)は、全メディアの中で最も高いスコアとなった。

 

 各メディアの印象・評価で、新聞は「知的である」(58・6%)、「安心できる」(48・3%)、「情報が正確である」(47・5%)、「情報の信頼性が高い」(47・1%)、「教養を高めるのに役立つ」(46・2%)の項目で、全メディアの中で最も高い評価を受けている。

 

 「就職活動の重要な情報源」(36・8%)、「仕事に役立つ」(34・3%)との評価も他のメディアより高くなっており、新聞はビジネスパーソンや学生に活用されていることが分かる。「情報が整理されている」(43・8%)、「地域に密着している」(40・4%)、「中立・公正である」(30・4%)という項目でも、最も高い評価を得た。

 

 インターネットで入手するニュースの提供元については、37・6%の人が「必ず確認する」「たいてい確認する」と回答しており、「情報の信頼性を重視する傾向にあることがうかがえる」。「記事の提供元が新聞社」の情報を「よく見る」「たまに見る」との回答は55・1%で、「インターネット上でも新聞は読まれていることが分かる」としている。

 

 また、「記事の提供元が新聞社」の情報については、「信用できる」「どちらかというと信用できる」との回答が51・4%に上り、全メディアの中でトップの評価を得た。

 

 さらに、新聞の情報に接触している「新聞オーディエンス」の特徴として、「環境に配慮した商品を選ぶ」(51・2%)、「企業の社会的責任に関心がある」(32・2%)といった傾向があることが分かった。「社会の動きに関する情報への感度が高い『新聞オーディエンス』は、企業・団体の経営姿勢や社会貢献活動に高い関心を持っていることがうかがえる」という。

 

 消費者の購買プロセスにおいて、新聞広告は商品・サービスを知るきっかけとなる「認知」だけでなく、興味を持つきっかけとなったり、欲しい気持ちが高まる「興味・関心」、商品等の検索、確認、内容理解といった「比較・検討」というミッドファネルにおいても重要な役割を果たしている。「新聞は商品・サービスの購入・利用を後押しする広告媒体として、一定の評価を得ている」と分析。

 

 また、新聞広告は「情報が信頼できる」(36・5%)、「地域や地元の情報が多い」(27・9%)、「内容が公平・正確」(22・2%)といった項目で、全ての広告メディアの中で最も高い評価を得た。「ゆったりと広告を見聞きできる」(25・8%)、「広告を見聞きし不快に感じることが少ない」(22・5%)との評価も、他のメディアより高かった。