地方新聞社とGoogle ビジネスアイディアコン 埼玉新聞社、紀伊民報、神戸新聞社が受賞

2021年12月21日

 全国の地方紙が「Google News Initiative」(GNI)の協力でスタートした「Build New Localプロジェクト」で、12月15日にビジネスアイディアコンテストが開催され、全国の地方新聞社38社の中から最優秀賞に埼玉新聞社、優秀賞に紀伊民報、特別賞に神戸新聞社がそれぞれ選ばれた。

 

 

 「Build New Localプロジェクト」は、全国の地方紙(デジタルビジネスコンソーシアム加盟45社、地域新聞マルチメディアネットワーク協議会加盟43社)によって構成された「Build New Local実行委員会」が、GNIが持つソリューションやデジタルに関するノウハウの提供や、アイディアソンやビジネスアイディアコンテストなどを開催し、参加新聞社のデジタルやテクノロジーを活用した新規事業開発を推進する取り組み。

 

 同プロジェクトのビジネスアイディアコンテストでは、「Build New Localを実現し、地方新聞社による地域社会の未来を築く、デジタルを活用した新規事業アイディア」を地方新聞社より募集した。

 

 応募総数38社の中から、事前に行われた1次・2次審査を通過した岩手日報社、紀伊民報、神戸新聞社、埼玉新聞社、信濃毎日新聞社、東京新聞(2案)、中国新聞社の計7社8案が自社のビジネスアイディアを発表するプレゼンテーションを実施。審査員4人と参加地方新聞社の投票を経て、最優秀賞などが決まった。

 

 受賞したアイディアは、埼玉新聞社の「じぶんデザイン ひと、育つ、埼玉。自ら未来を創る、心豊かな人を、埼玉から」、紀伊民報の「GIGAスクール・地域学習・探求学習を対象としたデジタル教材と情報共有ツール」、神戸新聞社の「~生産者と消費者をつなぐ物流に付加価値を~ 地域物流で地域活性化プロジェクト ひょうごとれたてフレッシュ便」。

 

 今回のコンテストで受賞した3つのアイディアは、「コンテスト終了後、受賞新聞社とビジネス実装に向けた調整会議を行い、ビジネス実装化に向けて、開発資金の提供、開発サポートを順次進めていく」としている。

 

 「Build New Local実行委員会」を代表して、デジタルビジネスコンソーシアムの知久昌樹理事長(静岡新聞社)は、デジタルを活用した新規事業開発という共通の目的のもと、新たな地方新聞社のネットワークが生まれたことに触れ、「21年に生まれたBuild New Localを来年以降も良い取り組みにしたい」と、今後のデジタル社会における地方紙の取り組みや動きに、大きな期待を示した。同プロジェクトは今後も、継続して開催し、産官民学の垣根を超えた新たな地域社会(New Local)の構築を目指す。

 

▼最優秀賞

 埼玉新聞社「じぶんデザイン ひと、育つ、埼玉。自ら未来を創る、心豊かな人を、埼玉から」

 

〈概要〉
 子どもたちの地域社会との結びつきを取り戻し、子どもたちの心の成長を促すことを目的に、サブスク型授業を展開する塾を開校。地元企業と協力して地域を学ぶリアルな体験の場を提供し、次世代の埼玉を創る人材の育成を目指す。
 教育版マインクラフト等を導入し、バーチャル空間にイメージを作ったり、各自アカウントで体験履歴を発信したりするなど、体験をデジタルで共有する。

 

〈受賞新聞社コメント〉
 部署の垣根を越えてアイディアを出し合った結果が実を結び、まずは率直に嬉しい。これからの埼玉を創る子どもたちと一緒になって、地域課題の解決に取り組んでいきたい。(埼玉新聞社・クロスメディア局地域創生部・竹内健二氏)

 

▼優秀賞

 紀伊民報「GIGAスクール・地域学習・探求学習を対象としたデジタル教材と情報共有ツール」

 

〈概要〉
 「GIGAスクール構想」下での高校指導要領の改訂に伴う探求学習の強化に対し、紀伊民報が持つリソースを学習教材として提供し、高等学校へのサポート体制を構築。紀伊民報、和歌山県、和歌山大学が連携したオープンデータ化を目指す取り組み「和歌山ローカルナレッジ」を基盤として、高等学校の地域学習で作成したコンテンツは地域全体で共有する。

 

〈受賞新聞社コメント〉
 学習指導要領の「探求学習」に新聞社の情報を活用する提案が評価されたことをうれしく思う。学習の中で見つかった地域課題を子どもたちと共有し、解決や郷土愛の醸成、人材育成につなげたいと考える。(紀伊民報・マルチメディア事業部・上仲輝幸氏)

 

▼特別賞

 神戸新聞社「~生産者と消費者をつなぐ物流に付加価値を~ 地域物流で地域活性化プロジェクト ひょうごとれたてフレッシュ便」

 

〈概要〉
 農産物の無駄を減らし地元の生産者を支援するために、新聞配達網を活用した新たな物流システムを構築。注文・在庫管理などをシステム化し、神戸新聞は地域の課題と現状、生産者の想いなどのストーリーを引き出し、物流に情報の付加価値をつける。新聞販売店の新たな収益化や地域をあげたSDGs活動への取り組みも目指す。

 

〈受賞新聞社コメント〉
 アフターコロナ時代における地域社会の再構築を考えた際に、私たちがいまできることを考える良い機会となった。今ある地域課題を今回のビジネスアイディアの実現で、少しでも地域社会に貢献できればと思う。(神戸新聞社・東京支社営業部・大岸裕樹氏)