北海道新聞社『消えた「四島返還」』刊行 取材力で日ロ交渉の舞台裏解き明かす

2021年11月22日

 北海道新聞社はこのほど、書籍『消えた「四島返還」 安倍政権 日ロ交渉2800日を追う』を刊行した。北方領土について7年にわたる安倍・プーチン交渉の一部始終を、北海道新聞が全国紙に引けを取らない取材力で、過不足なく書いてきた特集記事をまとめ、書籍化した。

 

 

 

 2018年、安倍晋三首相はプーチン大統領との首脳会談で、北方領土交渉について「日ソ共同宣言を基礎に」2島返還への方針転換を打ち出した。

 

 交渉の舞台裏で何が起きていたのか。12年の第2次安倍政権発足時にさかのぼって、北海道新聞取材班が追いかけてきた日ロ交渉の全貌を、1万6000件の取材メモをもとに解き明かしている。

 

 同書のあとがきによると、さまざまな部署で日ロ関係に関わる記者が連絡を取り合い、事実上の「チーム取材」を続けてきたという。その膨大な情報や記事を一から検証し直し、書き下ろした。「現場の臨場感を少しでも感じてもらえるよう、取材の舞台裏や記者の思いなども盛り込んだ」と一読をすすめている。