メディアドゥとトーハン リアル書店でNFT活用「デジタル付録」サービス展開へ、紙書籍に電子コンテンツ付与

2021年4月12日

2021年夏に「デジタル付録」サービスを開始へ

 

 メディアドゥとトーハンは4月12日、全国の書店でNFT(非代替性トークン)を活用した「デジタル付録」サービスを開始すると発表した。現在、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館と施策の検討を行っている。サービスに関する技術開発は今年夏ごろの完了を予定し、年内のサービス展開を目指す。リアル書店のDXを実現し、書店でデジタルコンテンツを入手可能にすることで、来店客増、紙出版物の売上増、出版業界全体の活性化を狙う。

 

紙書籍に限定版デジタル付録、ダイレクトマーケティングも可能に

 

 今回の「デジタル付録」サービスは、リアル書店で出版物を購入した来店客に、NFTを活用したコンテンツを付与するモデルで検討を進めている。

 

 具体的には、紙書籍に限定版デジタル付録(動画、音楽など)を付けて販売する。NFTによって、これまで“所有”できなかったデジタルアイテムが“所有可能”となり、コレクション対象のデジタル収集品になるという。

 

 同サービスでは、各付録を手にしたユーザーを把握できるため、データを活用して書籍を購入したファンに対し、ダイレクトマーケティングを行うことも可能だ。また、フィジカルな付録に比べ、配送や管理などの運用が効率化され、店舗を限定せず、かつ、さまざまな複数の企画を同時並行で実施できる。

 

「メディアドゥNFTマーケットプレイス」も同時展開

 

 NFTは、ブロックチェーン上で資産を管理する仕組みの一つ。複製不可能な独自の識別情報を持つ唯一無二のトークンで、デジタルコンテンツの真贋や所有権を証明することができる。メディアドゥは2019年にブロックチェーン技術の基盤開発をスタート。現在のコンテンツ流通とは異なる流通で新たな市場を創造することを目指し、注力してきた。

 

 ディアドゥは「デジタル付録」サービスのほか、複数のプロダクトと連携してNFTを活用した企画を提供していく方針だ。デジタル付録などNFTの限定コンテンツをダウンロードし、ユーザー同士で鑑賞したり、売買はできる「メディアドゥNFTマーケットプレイス(仮称)」の提供も、「デジタル付録」サービスと同時に開始する。

 

デジタルとリアル、両コンテンツで販促の起爆剤に

 

 NFTのデジタル収集品は個数が制限され、一つ一つが個別の価値を持っている。トレーディングカード、フィギュアのような販売目的のコレクション品のほか、映画の半券、書籍のおまけステッカーなど、アナログの世界でコレクション対象とされていたアイテムを、デジタル上での所有物、収集品として再現できる。

 

 出版物に限らず、幅広い国内エンタメ作品に応用でき、各作品の根幹を成すキャラクターや人物などに焦点を当てたさまざまなコンテンツ展開が見込める。また、ブロックチェーン上にファンの購入・視聴履歴などが可視化されるので、ファンは自身が触れてきたコンテンツを振り返ることができる。

 

 コンテンツホルダーにとっては、コアなファンに限定イベントを提供するなどの効果的なファンマーケティング、ダイレクトマーケティングを実現することができる。

 

 メディアドゥは今後、アニメ・漫画・映画などジャンルを問わず、市場で流通する国内エンタメ作品に、追加でNFTのデジタル付録コンテンツを付与し売上増に貢献する「販促」、NFTのコンテンツ自体を売り出す「販売」の両側面からサービスを提供。デジタル上でのコレクション収集を可能にし、デジタル・リアルの両コンテンツで、新たな販促の起爆剤とすることを狙う。