「あやしい絵」一堂に、東京国立近代美術館で特別展 毎日新聞社など主催

2021年3月25日

上村松園「焰(ほのお)」=1918年、 東京国立博物館蔵(4月4日まで展示)

 

 退廃的、妖艶、グロテスク、エロチック・・・・・・。「美しさ」だけでは語れない、ひと目見たら忘れられない魅力的な作品を一堂に集めた特別展「あやしい絵展」が3月23日、東京都千代田区の東京国立近代美術館で始まった。

 

 明治時代、西洋の知識や技術がもたらされる中で、美術も西洋の刺激を受け、新たな時代にふさわしいものへと変化していった。時に退廃的な、あるいは妖艶で神秘的な作品が表れ、激動する社会を映し出して大衆に広まると、「単なる美しいもの」とは異なる表現が美術界に賛否両論を巻き起こした。

 

 本展は幕末から昭和初期に制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿図など約160件を集めた。会場には作品に描かれている物語や作品の成り立ちがわかる「解説」を用意。その絵のどこが「あやしい」かを解き明かす仕掛けになっている。

 

 「きれい」「見ていて心地よい」とは異なる、人々の奥底に潜む欲望が複雑に絡み合った作品群は、時代を超え、現代人にもその魅力を投げかける。

 

甲斐庄楠音「横櫛」1916年ごろ、京都国立近代美術館蔵

 

▼特別展「あやしい絵展」

 会期:3月23日~5月16日

 休館日:毎週月曜(ただし3月29日、5月3日は開館)、5月6日

 問い合わせ先:050・5541・8600(ハローダイヤル)

 主催:毎日新聞社、東京国立近代美術館、日本経済新聞社

 協賛:損害保険ジャパン、DNP大日本印刷

 

 ※新型コロナウイルス感染症対策のため、開催内容は変更する場合がある。開館時間などについては、東京国立近代美術館ホームページ(https://www.momat.go.jp/)、チケットやグッズ販売など関連情報は公式HP(https://ayashiie2021.jp/ticket/)まで