大垣書店 イオン洛南店を仮オープン、大垣社長「書店の空白期間つくれない」

2021年2月15日

30坪でも充実した品ぞろえ

 

 大垣書店は2月12日、グループ41店舗目となる「イオン洛南店」を京都市南区のイオン洛南ショッピングセンター2階に出店した。取引取次はトーハン。同施設内には別のチェーン書店が20年以上にわたり営業していたが、今年1月に撤退、同社が入る運びとなった。


 100坪以上で構えていた前書店と同規模での展開予定だが、現在、テナント順に館内改装を進めており、同社の本格オープンは今秋以降。しかし、施設には書店がなくなったことへの問い合わせや、書店再開の要望も多く、大垣書店としても「書店がない空白期間は作れない」という判断から「仮店舗」としての開店を決めた。


 そのため本オープンまで催事スペース(30坪)を活用するが、モールの多様な客層に合わせて一般書籍、コミック、雑誌など幅広く1万数千冊を揃え、また、徒歩圏内に有名進学校もあり、学習参考書の需要も見込めることから一部備えた。


 最寄り駅(西大路駅)から西に一駅の桂川駅前には、同社イオンモール京都桂川店、東に一駅の京都駅には同イオンモールKYOTO店と大型店を構え、洛南地域一体でニーズに応えていく。


 仮店舗の開店に踏み切ったことについて同社・大垣守弘社長は「一度、『ここに書店はない』と認識されれば、お客が戻るにはかなりの時間を要する。空白期間をつくりたくなかった」と話す。前書店閉店からの間(約3週間)、定期的に雑誌を購入していた人などから困惑する意見も多く寄せられたという。

 

 大垣社長は「秋に向けての助走期間と捉えて、お客様の要望、声をしっかり拾うよう指示している。秋には規模も品揃えも期待に応えられる店にしたい」と語っていた。


堀店長「地域の期待実感」

「日常使いされる店をつくる」と堀店長

 

 「仮店舗」という異例の形態を任せられたのは入社20年以上のベテランでイオンモール京都桂川店の副店長も兼務する堀信之店長。

 

 堀店長は「開店の準備作業中でも多くの人から『また本屋ができるんだね』、『楽しみ』、『こんな本を置いてほしい』など声をかけられた。気さくなお客さんが多く、期待も実感した」とし、「主要客層は一見さんより、毎日買い物される地元の方々。何でも気軽に聞きやすい雰囲気の店にしたい。本格オープンに向けて、しっかり日常使いされる本屋をつくっていきたい」と抱負を述べた。

 

大垣書店イオン洛南店
 住所=京都市南区吉祥院御池町31イオン洛南ショッピングセンター2階/電話=080(7078)7222/営業時間10~ 21時。

 

【堀雅視】