大阪・奈良の販売店 特殊詐欺被害抑止に一役、警察から感謝状

2020年12月24日

左から助中署長、大原氏、髙美氏、平岡氏、田中直人副署長

 

 大阪府四條畷警察署管内の大東市、四條畷市と、隣接する奈良県生駒市の新聞販売店が、特殊詐欺被害防止のチラシを無償で折込み、同署から感謝状が贈呈された。「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」などの特殊詐欺が社会問題化する中、警察や自治体が注意喚起を続けているが、新しい手口や、「キャッシュカード詐欺盗」など巧妙化している。

 

折り込まれた「防犯速報」

 

 大阪府でも啓発活動などにより一定の効果が表れているが、同署管内の被害件数は、今年も昨年と同じ水準で推移していることから、近隣販売店に広報紙「防犯速報」の配布を依頼。各販売店が快諾し、11月に折り込んだ。配布以降、読者から「チラシを見た」という声が署に寄せられるなど反応が見られ、詐欺グループもそういった住民の警戒心を意識したのか「アポ電」なども減少し、抑止の効果も出ているという。

 

販売店の地域貢献周知を

 

 感謝状は16の販売店に対し、4日に分けて贈呈。12月11日は、読売新聞四條畷・大原芳剛所長、朝日新聞四條畷・髙美正治所長、毎日新聞忍ヶ丘販売所・平岡健人所長が贈呈された。四條畷警察署・助中伸理署長は「啓発活動に注力したいが、コロナ禍でなかなか住民に接触しづらい。そんな中、販売店のみなさんが引き受けていただき、非常にありがたい」と謝意を示した。

 

 文化通信の取材に大原氏は「こちらの業界としても過去に集金を装って購読者宅を狙う詐欺があった。そんな事が起こると新聞も止まる。読者、住民のためになり、それが表彰されることはとても光栄なこと」とし、髙美氏は「折込で防犯効果が出ているなら、警察にはもっと販売店のことを周知してほしい。新聞を取っていない住民に我々の地域貢献が理解されればうれしいかぎり」、平岡氏は「こういった形で地域に役立てるのは良いこと。今回で終わるのではなく、販売店ができることがあるなら貢献していきたい」とそれぞれ感想を語ってくれた。

【堀雅視】