日記・手帳ディスプレイコンクール最優秀賞受賞店 WAY書店 TSUTAYA岩出店「前年超え果たしたい」

2020年10月7日

入社20年目の同店次長・樋口誠さん

 

 WAY書店TSUTAYA岩出店(和歌山県岩出市)は、2020年度日記・手帳の展開において、これまでのジャンル別をメーカー別に変えたことが奏功し、売上前年比15・7%増、ピーク時の11、12月には驚異的な18・5%増を叩き出したことが評価され、高橋書店「日記・手帳ディスプレイコンクール」の最優秀賞に輝いた。

 

 和歌山を中心に近畿、東海圏で展開するWAY書店は05年、岩出市に出店。今年8月には近くで競合する同じWAYグループの書店が施設側の事情で閉店したこともあり、現在は同市で貴重な大型店(600坪)として地域住民に受け入れられている。

 

 最優秀賞の立役者は入社20年目の同店次長・樋口誠さん。毎年、社として各店、各ジャンルの戦略として一定の方針が示され、昨シーズンは「日記・手帳はメーカー別に展開」に決まった。これを受け樋口さんはアイテム数が多い高橋書店の商品を全面に押し出す戦略に出る。成人男性に売れ筋の黒茶系より、高橋書店「torinco」などカラフルなカジュアル系手帳を、目を引く通路側に並べた。

 

 展開場所は入り口前。同店が最も強いコミック、その奥のCDコーナーに行くには否応なく目に入る場所に配置した。樋口さんは「いくら良い商品を用意しても、まずは立ち止まって見てもらわないと始まらない」とし、オーソドックスなものより、色目がある華やかな商品を目立たせた。

 

 さらに、整理整頓を強く意識する。「せっかく見栄え良く並べたのに、雑然としていては意味がない」と目を光らせる。

 

「クレール」と「トリンコ」のオリジナル什器も置いている

 

 今シーズンの戦略として「torinco」は高橋書店提供の専用棚を使用。昨年の成功例を継承し、一般台を2つ繋げ、大型台化し、同社商品を大きく展開する。樋口さんは「昨年15%も伸ばしたので、それ以上というのは難しいかもしれないが、競合店が閉店したことを鑑みれば、現状維持では許されない。前年超えは最低ライン」と自身を追い込む。

 

 受賞については「長年やっているので、いろんな賞をいただくことはあるが、このような全国区が対象の賞は初めて。光栄と同時に重み、プレッシャーもある。今シーズンも当社やメーカーさんの期待に応えたい」と意欲を示し、21年度手帳商戦に挑む。