日経BP、オンライン営業を本格化 企画説明会をバーチャルで開催

2020年9月17日

書店との商談会を常設に

 

 日経BPマーケティングは9月17日、従来の特約店説明会に代わる書店向けオンライン企画説明会を初めて開催した。また、この日から書店向けのYouTubeチャンネルを開設し、個別書店とのオンライン商談会を常設した。

 

 出版社の特約書店会の中止に伴いオンラインで開かれたのは業界初とみられる。説明会はYouTubeの限定公開で配信し、終了後も当面はアーカイブで視聴できる。

 

説明会冒頭であいさつする日経BP・吉田社長

 

 日経BPの吉田直人社長があいさつに立ち、今春の日経BPと日本経済新聞出版社の経営統合などについて説明。続いて『日経トレンディ』など雑誌、『FACTFULNESS』『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』など売れ筋書籍、秋以降の新企画などについて各編集担当者が説明。

 

『FACTFULNESS』などを担当する中川氏

 

 このあと、著者インタビューとして好調な『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれるあなたの知らないあなたの強み』の古野俊幸氏、『アフターデジタル2UXと自由』の藤井保文氏、新作小説『小説伊勢物語 業平』を日本経済新聞出版のレーベルから刊行した髙樹のぶ子氏が登壇した。

 

著者インタビューで登場した髙樹氏

 

 橋田祐孝取締役流通営業担当チャネル営業本部長兼チャネル営業第三部長が、特約店制度や新刊施策、広告・パブリシティー展開、報奨施策などについて説明。

 

 その上で、常設するオンライン商談会と書店向けYouTubeチャンネル「『日経の本』書店さん情報チャンネル」について説明した。

 

書店向けチャンネル開設

 

 オンライン商談会は、ビデオ会議サービス「Zoom」とオンライン会議システム「ベルフェイス」を利用して、申し込みのあった書店との商談に同社チャネル営業部のスタッフが対応する。

 

 17日は説明会が終了した16時から18時まで、スタッフ10人ほどが対応したが、20を超える特約法人、特約店から商談の申し込みがあったという。

 

 18日以降はネット上のカレンダー予約システムによる「商談申し込みフォーム」で申し込みを受け付け、平日の営業時間中は随時対応する。

 

 YouTubeチャンネルは重点商品やプロモーション連動商品などについて月数回ほど情報を更新し商談のきっかけにする。一方、日経BPでは一般読者向けの「『日経の本』チャンネル(仮)」をオープンする予定。

 

 同社はこれまで特約書店を対象に、春と秋に都内や大阪などで説明会と懇親会を開催してきた。しかし、今年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、いずれの会合も開けていないためオンラインでの開催となった。

 

 ただ、同社ではリアルな説明会の代替としてのみではなく、オンラインによるメリットを追求していく考えで、今後はリアルな場とオンラインの併用を推進する。

 

 橋田取締役は「これを機会にオンライン営業の道を探っていく。今後も書店さんの反応などを伺いながら柔軟に変えていき、出版社合同で行っている商談会なども合わせて効果的に活用していきたい」と話す。

 

 また、同社・中島久弥社長はオンラインによるメリットとして「特約店以外の書店ともコミュニケーションが容易になることで、今まで分からなかった市場の変化が見えてくる可能性もある。合わせて業界として書店現場のIT化推進についても考えていく必要があるだろう」と話している。