第7回料理レシピ本大賞 『リュウジ式悪魔のレシピ』が料理部門大賞、朝日新聞東京本社でオンライン授賞式

2020年9月11日

左から天野さん、リュウジさん、加藤実行委員長

 

 今回で7回目を迎えた料理レシピ本大賞in Japan。すでに10万部を突破しているリュウジ著『リュウジ式悪魔のレシピ』(ライツ社)が料理部門大賞に、てぬキッチン著『材料2つから作れる!魔法のてぬきおやつ』(ワニブックス)がお菓子部門大賞に輝いた。9月8日には今年からオフィシャルメディアパートナーとして協賛・参画した朝日新聞社の東京本社食堂で、今回初となるオンライン授賞式を開催した。

 

リュウジさん「自炊の楽しさを伝えたい」

 

 授賞式には、お笑いタレントで料理レシピ本大賞アンバサダーの天野ひろゆきさんが登場し、料理部門、お菓子部門の各大賞・準大賞・入賞のほか、こどもの本賞やエッセイ賞、コミック賞、特別選考委員賞などの各部門賞受賞者に賞を贈った。

 

 受賞のあいさつでリュウジさんは「私のたったひとつの目標は、自炊の楽しさ、素晴らしさを伝えていくこと。今回の受賞を受け、さらに多くの人に料理の魅力を伝えていきたい」と意気込みを語った。

 

 リュウジさんの受賞コメントを受け、天野さんは「リュウジさんの動画を見ており、どれも我流。他では邪道とされているようなことでもおいしければいい、楽ならそれでいい、というのがリュウジさんの魅力。そしてとにかくおいしい」と称賛した。

 

てぬキッチンさん

 

 てぬキッチンさんは「初の著作で不安もあったが、編集者の方やスタッフの方の支えもあり、手に取った方に残念な思いをさせたくないという一心で、本を作ることができた」と語った。

 

 また閉会に際し、登壇した加藤勤実行委員長(ブックスタマ社長)は、「今回はテレビでよく見かける方が受賞され、この賞も大きくなったと実感している。今年は新型コロナウイルスの影響で料理書のニーズは伸びている。この状況をチャンスに変えていきたい」と述べた。

 

ユーチューバーの躍進

 

 昨今の傾向として、受賞出版社関係者は、「ユーチューブ発の料理作家が増えている。料理ブロガーからはじまり、今は動画の時代」と話す。実際、今回の授賞式でも、リュウジさんは、自身で運営するユーチューブチャンネルの撮影スタッフも参加している。

 

 また、てぬキッチンさんはユーチューバーとして活躍したことがきっかけで、今回の受賞作を刊行するに至った。料理書を得意とする実用書出版社でも、オウンドメディアでレシピ動画を配信するなど、料理書の販促において、動画配信は必要不可欠なツールになりつつある。

 

 また今回の受賞作11点中5点が、これまでに受賞経験のある料理作家による作品で、リュウジさんは、昨年『クタクタでも速攻でつくれる!バズレシピ 太らないおかず編』(扶桑社)で入賞した実績を持つ。

 

 また、『藤井弁当』(学研プラス)で料理部門準大賞を受賞した藤井恵さん、お菓子部門準大賞の『志麻さんの気軽に作れる 極上おやつ』(マガジンハウス)の志麻さん、料理部門入賞を果たした『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス)の有賀薫さん、『syunkonカフェごはん レンジでもっと!絶品レシピ』(宝島社)の山本ゆりさんなど、それぞれが入賞経験を持つ。

 

 一方、てぬキッチンさんは処女作でありながら、お菓子部門大賞受賞という快挙を果たし、今回の受賞作を発行したワニブックスから、9月18日発売で第二弾を刊行する予定だ。

 

 人気作家の受賞が目立つ一方、てぬキッチンさんのように、新人作家に活躍の場を提供する意味でも、出版社らの同賞に対する期待は、回を重ねるごとに高まっている。

 

 なお、その他受賞作は、料理部門入賞『力尽きレシピ』(光文社)、こどもの本賞『おにぎり』(福音館書店)、エッセイ賞『頑張らない台所』(大和書房)、コミック賞『私でもスパイスカレー作れました!』(サンクチュアリ出版)、特別選考委員賞『フライパン煮込み』(主婦と生活社)。