【アルメディア調査】2020年 日本の書店数1万1024店に、売場面積は122万坪

2020年6月23日

売場面積を持つ店舗に限ると9762店、実店舗数1万店を割る

 書店調査会社のアルメディアによると、2020年5月1日時点での書店数は1万1024店、総売場面積は122万2302坪になった。書店数のうち、売場面積を持つ店舗に限ると9762店となり、1万店を割り込んだ。

 

 この20年間、書店の数はほぼ変わらないペースで減少を続けている。都道府県別でみると、書店数が最も多い東京都も前年同時期から51店減少し1171店となり、売場面積は3384坪縮小し、9万7525坪と10万坪を割り込んだ。東京都に次いで売場面積が大きい愛知県は、同4945坪減の7万6533坪となった。

 

100坪以上の店舗は34・7% 大型書店の比率は横ばいに、中型書店は減少

 規模別の占有率推移では、100坪以下の中小書店の比率が52・9%と前年より0・5ポイント低下し、100坪以上の店舗は34・7%と前年とほとんど変わらなかった。ここ数年、大型書店の比率が横ばいになっており、小規模書店以上に100~300坪程度の中型書店の閉店・撤退が増えているといえそうだ。

 

 書店の売場1坪あたりの人口は、全国平均で100・06人。1坪あたりの人口が最も多いのは神奈川県の177・13人、次いで大阪府の151・48人、東京都の137・96人。最も少ないのは新潟県の56・65人、次いで富山県の57・72人、香川県の59・81人。

 

 各県の書店数、売場面積、取次別、日本書店商業組合連合会(日書連)会員数など、詳細は次の通り。

 


 

日本の書店数 実店舗数が1万店を下回る

点数面積のサムネイル

 アルメディアによると、20年5月1日時点での日本の書店数は1万1024店で前年比422店減少した。このうち、店舗を持たない本部・営業所などを除く店舗数は9762店で1万店を割り込んだ(前年は1万174店)。

 

 売場面積を報告している1万234店(カウント数)合計の売場面積は、前年より3万8570坪減って122万2302坪となった。一方、日本書店商業組合連合会(日書連)の組合員数は、前年同時期から126減って2986と3000を下回った。

 

 地域別では、前年同時期に増加した自治体はなかったが、愛媛県で4店、大分県で1店増加したほか、三重県、鳥取県、高知県で前年同数になった。

 

 北海道、栃木県、埼玉県、千葉県、神奈川県、東京都、静岡県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県、広島県、福岡県の13都道府県で書店数が2桁減少(前年同時期は18都道府県)。

 

 減少幅が大きかったのは東京都の51店減(同81店減)、愛知県の41店減(同33店減)、神奈川県の37店減(同32店減)、大阪府の23店減(同67 店減)、広島県の22店減(同14点減)など。

 

 一方、売場面積が増加したのは青森県、三重県、滋賀県、鳥取県、愛媛県、大分県、宮崎県の7県。ほかの自治体では減少し、特に栃木県(1811坪減)、群馬県(1277坪減)、埼玉県(3194坪減)、千葉県(1078坪減)、神奈川県(4354坪減)、東京都(3384坪減)、愛知県(4945坪減)、石川県(2127坪減)、長野県(1277坪減)、大阪府(1121坪減)、岡山県(2158坪減)、広島県(3445坪減)、福岡県(1861坪減)で4桁減少している。

 

売場面積は3万8000坪余縮小

売面数のサムネイル

 最大面積は3000坪のトップカルチャー蔦屋書店仙台泉店で、13年以来変わらない。最大面積は青森県、奈良県、大分県で拡大し、岡山県で縮小した。

 

 売場面積別では、すべての規模で減少。占有率は大型店の比率が上昇し、40~299坪の中規模店の比率が下がった。

取次店売のサムネイル

 取次別では中央社の店舗数が前年と変わらなかったのを除くと、各取次とも店舗数、売場面積ともに減少。大手2社の日本出版販売(日販)は148店、トーハンは147店舗とほぼ同数減少した。これに伴って売場面積も日販が1万7592坪、トーハンは8806坪、楽天ブックスネットワークは1万162坪縮小した。

 

 売場占有率は日販が前年比0・1ポイント上昇して48・9%、トーハンは同0・5ポイント上昇して39・6%と上位2社の占有が上がった。

 

日書連会員のサムネイル

 

 日書連の組合員数は、4月1日時点で2986となり、全書店数に対する比率は28・2%となり、前年より0・1ポイント上昇した。

 

 組合員の加入は28と前年より5減少、脱退が154で16減少した。地域別では岩手県、千葉県、新潟県、徳島県、大分県が増減なし、宮城県、岐阜県、島根県で増加した。このうち宮城県では県内の未来屋書店が加盟したことで加入が14と2桁の増加になった。

 


 

 データはアルメディアが構築している書店データベース「ブックストア全ガイド」に基づくもので、今年5月1日時点で抽出した。日書連の組合員数は、4月1日時点での同組合調査によるもの。

 

 アルメディアの調査方法は、調査票の郵送が中心。取次番線を有する書店を基本に収録しているが、直取引、中卸取引の書店の一部、さらに本部、営業所といった事業所や、大学などの売店も店舗に含まれる。

 

 売場面積には書籍・雑誌のほか、ビデオ・CD・文具売場なども含む。売場面積を公開している書店を「カウント数」とし、この合計から総売場面積を算出している。