中央公論新社 広告クリエーターが対談 新刊の制作秘話を明かす

2019年10月9日

高崎卓馬『オートリバース』

 中央公論新社は9月26日、東京・港区の入場有料書店「文喫」で高崎卓馬『オートリバース』の刊行を記念して、同氏と「青年失業家」田中泰延氏によるトークショーとサイン会を開催した。

 

 高崎氏は電通の広告クリエーターで、これまでにも映画やドラマの脚本を手掛けており、今回は80年代の小泉今日子親衛隊の少年たちを主人公にした小説を刊行。

 

 元電通の田中氏とは同期の間柄で、田中氏は「入社当時から、高崎氏のクリエーティブは物語性があって、小説や脚本もいつか必ずやるだろうと思っていた」と当時を振り返った。

 

 イベントでは、最初の1行を書くためにあらゆる本の書き出しを調べた話や、地の文をどの視点で書くか悩んだことなど、同書執筆時のエピソードを紹介。クリエーター同士の観点から、小説とビジネス書やCМなどに対する姿勢、作り方の違いも話したほか、6月に刊行された田中氏の『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)で述べられていた「一次情報に当たることの重要性」が、小説を書く上でも大事になってくることなどについて語った。

 

田中氏(左)と高崎氏

 また、対談などの記事で余談をカットされると、まともなことしか言ってないと思われてしまうという田中氏は、「カワウソ(otter)が体長50㌢を超えて川から海に出るとラッコ(seaotter)になる」というトリビアも披露し、でたらめを話すことで、かえって信用を得る方法についても解説。

 

 トークショーは盛況に終わり、その後に実施されたサイン会にも多くの読者が参加した。