第6回料理レシピ本大賞 はらぺこグリズリー『世界一美味しい手抜きごはん』が料理部門大賞

2019年9月17日

各賞の受賞者、加藤実行委員長(前列左から3人目)、天 野さん(前列右端)

 

 第6回「料理レシピ本大賞 in Japan」の授賞式が9月10日、東京・文京区の東京ドームホテルで開かれた。料理部門の大賞に、はらぺこグリズリー『世界一美味しい手抜きごはん』(KADOKAWA)が選ばれ、お菓子部門の大賞を藤原美樹『世界一親切な大好き!家おやつ』(主婦の友社)が受賞した。

 

大賞受賞『世界一美味しい手抜きごはん』、発行部数30万部を突破

 

レシピ本収録の料理を味わうアンバサダーの天野さん

 

 授賞式には、お笑いタレントで同賞アンバサダーの天野ひろゆきさんが登場し、大賞受賞者のほか、絵本賞やエッセイ賞、コミック賞など、各賞の受賞者に賞状と記念品を手渡した。

 

 料理部門の大賞を受賞したはらぺこグリズリー氏は、初著書の『世界一美味しい煮卵の作り方』(光文社)でも第4回料理レシピ本大賞を受賞。2作目である『世界一美味しい手抜きごはん』で、再び料理レシピ本大賞に輝いた。KADOKAWAによると同書は同日、発行部数30万部を突破した。

 

 はらぺこグリズリー氏は「徹底的に人様のお役に立とうと試行錯誤をして、酷いときは1日に卵を50個食べたこともあった。私だけでなくスタッフやカメラマン、編集者のお力添えをもらい、一心で本を作った結果、この場に立つことができた。ほんの少しでも、人様のお役に立てたかもしれないとホッとしている」と喜んだ。

 

天野さんとお菓子部門で大賞を受賞した藤原氏(左)

 

 また、お菓子部門の大賞を受賞した料理研究家の藤原氏は、「誰でも簡単に作れる料理本にしたかったので、この本には写真をたくさん載せている。つい最近も70代くらいの夫婦から『二人でロールケーキを作っている。主人でも美味しく作ることができた』と聞かせてくれた。男性でも簡単に作れるおやつの本なので、ぜひ読んでほしい」と呼びかけた。

 

 アンバサダーの天野さんは「入賞作品を見ていると、昭和から当たり前のようにあった『料理は奥さんが作る』という流れが少し変わってきているのかもしれないと思った。また、そうした『当たり前』で、苦しんでいたり、プレッシャーを感じていたりする人に寄り添う時短などの料理本が増えている」と講評した。

 

朝日新聞社などが新スポンサーに

 

 書店店頭の活性化を目的とする同賞は、出版社から料理レシピ本のエントリーを受付け、「書店選考委員」、料理専門家からなる「特別選考委員」からの投票によって各賞が決定される。

 

 書店員有志が中心となった「料理レシピ本大賞 in Japan実行委員会」が運営し、朝日新聞社、大日本印刷、日本図書普及、ハウス食品が協賛、メディアドゥが特別協賛している。

 

 主催者を代表して、同大賞実行委員会・加藤勤委員長(ブックスタマ)は「今回は今までの大日本印刷に加え、朝日新聞社やハウス食品が協賛企業となった。6回目を迎え、出版業界の中では知名度が増してきたが、一般の方々に『料理レシピ本大賞』はまだまだ知れ渡っていない状況だ。今年はこうした新しいスポンサーの力を借りて、出版業界以外にも賞が浸透する契機にしたい」とあいさつ。

 

 各協賛企業の協力に感謝を述べたうえで「普段書店に来ない方にも、料理レシピ本大賞の名前とロゴが目に触れるように働きかけていきたい」と意気込んだ。

 

エントリーを緩和、刊行日の制約外す

 

 また、これまでのエントリーは、前年の4月から当年3月末までの1年間に刊行された料理レシピ本を対象としてきたが、今年から刊行期間の制約を緩和。

 

 過去に受賞した作品を除く、刊行日が2019年3月31日までの新刊・既刊を対象とした。

 

 今回は139作品がエントリーし、一次選考で全国の書店選考委員による投票を実施。料理部門の大賞上位30作品、そのほかの各賞上位5作品を選出した。

 

 一次選考通過作品の中から、料理専門家などの特別選考委員を加えた最終選考などを経て、料理部門の大賞1点、エッセイ賞1点、絵本賞1点、コミック賞点、入賞8点、特別選考委員賞1点、お菓子部門の大賞1点を決定した。各賞の受賞作品は次の通り。

 

▼料理部門

 ▽大賞=はらぺこグリズリー『世界一美味しい手抜きごはん』(KADOKAWA)

 ▽絵本賞=小西英子『カレーライス』(福音館書店)

 ▽エッセイ賞=本多理恵子『料理が苦痛だ』(自由国民社)

 ▽コミック賞=おづまりこ『おひとりさまのあったか1ケ月食費2万円生活』(KADOKAWA)

 ▽入賞=土井善晴『土井善晴の素材のレシピ』(テレビ朝日)、倉橋利江『作りおき&帰って10分おかず336』(新星出版社)、吉田麻子『一肉一菜おかず』(秀和システム)、井原裕子『フライパンひとつで何つくる?』(成美堂出版)、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修『その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)、小林弘幸『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、山本ゆり『どこにでもある素材でだれでもできるレシピを一冊にまとめた「作る気になる」本』(扶桑社)、リュウジ『クタクタでも速攻でつくれる!バズレシピ太らないおかず編』(扶桑社) 

 

特別選考委員賞=宮下奈都『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。』(扶桑社)

 

お菓子部門

 ▽大賞=藤原美樹『世界一親切な大好き! 家おやつ』(主婦の友社)