トーハンの若手座談会、ドイツ視察で見たマーケットインの書籍流通

2019年7月1日

 

 トーハンは今年4月から中期経営計画「REBORN(リボーン)」を始動し、マーケットイン型流通による新たな出版流通の構築に取り組んでいるが、そのロールモデルとして「ドイツ」に注目している。今年3月には近藤敏貴社長と若手によるドイツ視察を実施。現地で書籍で成立する産業構造、迅速な注文品流通、書店員職能教育などを調査した古谷孝徳、竹中康子、井之上康浩の若手3氏に対談していただいた。

(編集部)

 


 

返品率下げるヒント求め視察

トーハン・図書流通連盟視察(フランクフルト)


――視察の目的を教えていただけますか。


 古谷 当社は昨年6月に経営体制が変わり、新中期経営計画「REBORN」の策定に取り組み始めました。その中で、出版流通の課題として一番問題なのは高すぎる返品率で、これを早急に改善して流通の生産効率を上げ、書籍で利益を確保できる形に変えなければならないという危機感がありました。

 

 そこで、書籍市場が比較的堅調に推移し、出版社、取次、書店が書籍流通で事業を成り立たせているドイツがロールモデルとなり得ると考え、返品率を下げるために我々は何をすればよいのか、ヒントを得るために視察を行いました。

 

 視察は4泊6日の行程で、大手取次のリブリの本社と物流拠点、リブリの子会社でプリント・オンデマンド(POD)を行っているBOD(Books on Demand)、業界団体のドイツ図書流通連盟(BDB)、そして出版社4社と書店などを訪問しました。

 

 具体的には、ドイツでは、日本の見計らい配本とは違って、新刊も書店から注文をとって送品しています。その実態をはじめ、リブリの物流拠点で注文品を書店に翌日配送する「即納サービス」がどのように行われているのか、BDBが展開しているロビー活動、PODがヨーロッパでどう展開されているのかといったことを調査しました。

 

刊行1年前に登録される書籍も

 

――視察で印象に残ったことはありましたか。


 古谷 リブリが書店向けに提供している有料の書誌データベースを利用してみたのですが、発売が1年以上先の書籍でもISBN、定価、書影、内容などが入っています。

 

――日本でも日本出版インフラセンター(JPO)が、近刊を含めた書誌データベース「JPO出版情報登録センター(JPRO)」の整備を進めていますが。


 古谷 ドイツでBDBの子会社MVBが提供する業界標準の書誌デーベース「VLB」や、リブリなど取次の書誌データベースには、ほとんどの書籍が発売よりずいぶん前に登録されていますが、普及した理由はシンプルだと感じました。

 

 もともとドイツは出版社が新刊を発売前に書店から受注しなければならないので、早めにデータベースに登録する必要があります。出版社が誤入力すると、受注できなかったり、通常登録料の2倍の罰金がかかるといいます。だから出版社が正しく入力する動機付けがなされているのです。

 

 井之上 ドイツでも過渡期には入力がまばらで、精度も低かったそうです。それが年月とともに網羅率も精度も上がり、現在の形になったとのことでした。JPROも同じ道を辿るのではないかと思います。

 

――リブリのデータベース利用料はいくらですか。


 古谷 使ってみたのは書店が発注に利用している「マイ・リブリ」というサービスですが、年間利用料は99ユーロ(約1万3000円)です。視察後、研究のために先方と利用契約を交わし、アカウントを発行してもらいました。

 

――日本で実現していくために必要なことは。


 井之上 日本には日本なりの出版社や書店との関係性があるので、ドイツのやり方がそのまま当てはまるとは限りませんが、どう日本で合理的な仕組みを作るかだと思います。

 

 古谷 JPROにデータを早く入れていただくのは、配本に生かせるという取次サイドの事情もありますが、これを使うことで、出版社や書店も売り上げが上がり業界全体が良くなるというストーリーを作ることが重要だと思います。

 

――トーハンでのJPRO利用状況は。


 井之上 仕入情報と広報誌への活用を始めています。今後間違いなく連携は拡大していくでしょう。

 

 竹中 今年度はJPROデータを基礎とする刊行前情報と、仕入配本業務とを連動させた新しいプラットフォームを構築するプロジェクトチームも発足されました。

 

事業者に必要とされる業界団体BDB

 

――お話に出てくる業界団体BDBについてはいかがですか。
 古谷 BDBへの訪問では、出版社部門のトップと、子会社メディアキャンパスの担当者に話を聞きましたが、表情は明るく自分たちの仕事に自信を持っていました。

 

 井之上 出版社や書店の話しからも、BDBの子会社MVBが提供する電子カタログ「VLB―TIX」は書店の発注にとても便利だとか、返品率が20%を超えた時にBDBが中心になって返品許容枠を設定したとか、たびたびBDBの名前が出てきます。

 

 それだけ、BDBが各事業者に必要とされ、業界の人々が信頼し、期待しているのだと実感しました。そんなパワーのある組織を日本でも作れるのか。難しいですがトライすべきだと感じました。

 

 竹中 個別企業の改革にとどまらず、BDBが業界全体の方向性を決めているのは大きいと思います。日本でも出版社、取次、書店が求めることは違いますし、いち企業ではうまくいかないこともありますが、第三者的立ち位置のBDBが決めることで、業界全体の取組になっていると感じました。

 

 また、BDBの年間会費収入が11億円と聞き、やはり資金的裏付けがあることで実行力があるのだと思いました。

 

書店員教育にお金を掛けている

 

――BDBの子会社メディアキャンパスは、書店員の職能教育などを行う「本の学校」として知られていますね。


 井之上 メディアキャンパスの説明を聞き、彼らがその必要性に確信を持っていると感じました。彼らはいまの書店像、書店員像に満足せず、教育をアップデイトしようという強い意思を持っています。私はリアル書店の強味は書店員にあると考えていますが、ドイツではそこに教育という形でお金を掛け、書店側も投資しています。これがドイツの書店の強味だと感じました。

 

 古谷 メディアキャンパスでは3年間にわたり年2回9週間のスクーリングを実施していますが、このための年間費用約80万円は書店側が負担しているといいます。ドイツではそうした教育投資を行っても、書店の経営が成り立ち、書店員という職業がある種のステイタスとして社会的に認知されているということでしょう。

 

――メディアキャンパスへの書店側の評価はどうでしたか。


 古谷 大手書店ヒューゲンドゥーベルでは、従業員の8割ぐらいが資格を持っているとのことでした。メディアキャンパスでは出版業や書店業の勉強だけでなく、文学や哲学、経済学や経理なども教育しているので、知的レベルが高く、文化の守人として誇りを持って仕事をしていると話していました。

 

 井之上 書店人が「私たちに聞けば何でもわかる」というスタンスで、自信を持ってお客さんに商品を紹介するのを見て、教育の大切さを感じました。

 

低返品率には三つの理由

 

――返品率改善にはどのような手応えがありましたか。


 竹中 ドイツで返品率が低い理由は三つあると感じました。一つは書誌データが発売前に整っているので、書店が確実に売れる商品だけを注文して仕入れていることです。出版社も受注が集まらなければPODに切り替えて、無理に多部数作ることはないと聞きました。

 

 二つ目は、取次が書店からの注文を翌日配送する「即納サービス」を実施しているので、売り切れても頼めばすぐ入荷すること。

 

 三つ目は取次がPODを活用していることです。リブリは「即納サービス」で出荷できる現物を100万タイトル在庫しているほか、子会社のBODが約330万タイトルのPOD版データを保有しており、注文があればすぐに作成して届ける体制を整えています。

 


――BDBが返品許容枠を設定したというのは。

 

 井之上 20年ほど前にドイツで返品率が10%台から20%台に上がってしまったことがあり、そのとき、BDBが主導して業界全体で契約に返品率の縛りを入れたそうです。また、取次は在庫補充数のアルゴリズムを変えたと聞きました。

 

 ドイツでも出版社の本音は、返品を減らすより売り上げを上げたいという話も聞きましたし、一般的には、三者それぞれの考え方が対立すると思うのですが、BDBでどう折り合いをつけたのかを聞くと、「BDBでは常に本音で話し合えているので、対立しても一定の解を出して行動できる」という話でした。

 

 古谷 書店側には「売れないものはいらない」という感覚が強く、出版社も受注がないものは作らないか、最初からPODにするか、その姿勢がはっきりしていました。日本では、作ったら書店に並べてもらって多くの人に見てもらう。そのことが、これだけ多様な出版活動を可能にしてきた面はあると思いますが、ビジネスとの折り合いの付け方を、ドイツは割とシビアにやっていると感じました。

 

 井之上 ドイツの書店はドライというか、売れるものを売れる量だけ仕入れることが徹底されていると感じました。それは書店が運賃を負担しているためかとも思います。

 

 竹中 それに、ドイツでは書店が返品しても、金額がクレジットノートに記録され、次の発注に充当されるので、金融返品はありません。

 

 井之上 ただ、ドイツの状況を参考に日本で提案したとしても、いますぐ日本での正解を示すことは難しいと思います。そこから先は実際にやってみるしかない、行動しなければならいと思います。

 

日本で事前予約やドイツ型書店を試したい

 

――どういうことを試みたいと思いましたか。


 古谷 新刊の返品率を下げるには、どれだけ事前予約を取れるかだと思います。事前に商品情報を公開し、読者にアピールして、どれだけ注文を吸い上げることができるかが肝要です。なので、まずは書店で予約を取り、それを適切な配本に活かすこと。シンプルですが、まずはそれをやってみたいと思いました。

 

 また、書店の注文に基づいて品揃えするとなると、売れ筋中心になるのではないかという懸念もあります。実際にドイツの書店では専門書は少なく、売れ筋商品が8割ぐらいを占めている印象でした。日本でもそうなるのかどうか、そうなったときに書店の売り上げはどうなるのか、読者ニーズとの折り合いをどうつけていくのか、実証実験する必要があると思います。

 

 井之上 ワインショップにはソムリエがいて、多くのワインからお客様のニーズにマッチするものを提供していますが、ドイツの書店はそういう要素が強いと感じました。一方、日本型の書店は品揃えを豊富にして、何でも選べますという形にしています。どちらかが優れているということではなく、トレードオフの関係にあると思いますが、いまのネットを含めた競争環境で、どちらがリアル書店として求められているのかを考えると、ドイツ型の店舗を試してみたいという気持ちはあります。

 

自ら見つけて仕入れる書店

 

――小規模書店も訪問しましたか。


 古谷 Carolus(カロルス)というフランクフルトで最も古いといわれる書店に行きました。2階建てで小説と宗教書を売りにした書店です。宗教書のコーナーでは、ローソクや聖具など高額な商品も揃えていましたが、こうした商品も書店員が自分で見つけて仕入れているということでした。


 井之上 ドイツの書店はすべてがお客さんから始まっていると感じます。日本で書店側のバイイングに基づく流通にしたときに、中小書店が、カロルスのようにお客さんにマッチしたベストな商品を見つけ出し、安定的に仕入れることができるのかが課題になると思います。

 

「即納サービス」は原資の負担がカギに

 

――取次の「即納サービス」についてはどう感じましたか。


 竹中 ドイツの取次が即日納品できる原資はどこにあるのか疑問でしたが、書籍の定価が高く、返品率が10%程度と低く、取次のマージンが約20%もある、そして極めつけは書店が送料を負担しているということでした。日本でも実現できるかどうかは、技術的な問題というよりは原資の問題だと思います。

 

 また、ドイツでは書籍流通に占める取次経由の割合が16%と少ないですが、出版社と書店の直接取引の物流も取次が手数料で受託しており、物流効率を上げています。こうしたことから、ドイツの取次が書籍流通だけでビジネスを成立させることが可能な理由がわかりました。


 古谷 ドイツでも書店が出版社に直接注文して、取次が物流代行する場合は5日ぐらいかかるとのことでしたから、この差は「即納サービス」の大きな競争優位性だと思います。それに加えて、ドイツではアマゾンの即日配送がないというのも大きいと感じました。

 

取次は自らの強味に積極投資

 

――ドイツの取次について感じたことは。


 古谷 リブリの場合、書店への電子カタログの提供や、書店のECサービス・電子書籍販売をサポートする「ホワイトラベル(リブリ・ショップライン)」などのシステム面、「即納サービス」を実現している物流子会社「ブックス・プレス」のトラックを開発するなど、自分たちの強みを生かすために積極的な投資をしていることに感心しました。

 

 リブリで話を聞いていて、日本の取次が流通全体を包括的にコントロールしようと考えているのに対し、リブリは自らの機能を限定特化しているというスタンスの違いを感じました。

 

PODもカタログに載るのが強味

 

――PODについてはどうですか。


 竹中 書店からの注文に対応するために取次がPODを利用していることに驚きました。

 

 古谷 書店から注文を受けると3時間で作って12時間後には配送するということでした。

 

 井之上 日本ではPODを少部数印刷に利用することが多いですが、ドイツでは注文に応じて1冊から印刷する方式が徹底されているので、考え方自体が違います。いま求められるPODは1冊単位での対応だと思います。また、日本と同じでオフセット印刷とは品質に違いがありますが、お客さんは品質の差をあまり気にしないという話だったので、日本も出版社がある程度許容することが必要ではないかと思いました。

 

 竹中 POD版を作製する際、サイズや用紙などを選択するシステムで、元本との品質差は問題にならないようです。

 

 古谷 品質は印刷会社で製作した方が良いのではないかと聞くと、BODが作ることでリブリのカタログに載り、流通商品として扱われることが強みだと話していました。それと、書籍の価格が高額なことも大きい。ドイツではPOD版の価格と元本の価格が同じです。POD版の製作単価は日本とそれほど違いませんでしたが、元本の価格が高いのでコストを吸収できるのです。

 

 竹中 それから、事前受注制にしたら書店が発注しない本もあるのではないかと、出版社に聞いてみたとき、「著者との契約があるからPODで出す」という答えでした。

 

 古谷 出版社にとってもメリットがあるPODの仕組みを提案できれば、変わってくるのではないかと思います。

 

 竹中 そういうことも、まずは小規模な実験で実例を示していきたいですね。

 

マージン額は書店が倍、取次は4倍

 

――ドイツでは書籍の価格が日本よりもずいぶん高額ですが。


 古谷 今回社内報告会で、実際の商品を例示して、日本とドイツ、アメリカの出版社、取次、書店マージンの絶対金額を比較しましたが、やはりまったく違っていました。日本の取次もドイツやアメリカ並みの金額をもらえれば、やれることは多いと感じます。

 

 井之上 ドイツでは出版社の取り分が定価の約50%で、定価は日本の1・5~2倍ほどですが、日本のマージン額と比べると、取次で4倍、書店で倍、そして出版社はほぼ同額になります。

 

 古谷 日本でも昨年夏頃からコミックスの価格を大手出版社が中心に値上げしましたが、2018年を通してコミックスの店頭POS実績はむしろ上がっています。作品の質が高く、しっかりプロモーションすれば売れると思います。

 

書店起点で意思決定の仕組み必要

 

――ドイツの状況を踏まえて、今後、日本の出版流通でどのようなことが考えられますか。


 井之上 個人的には、自ら仕入れて専門性のある書店員が販売するようなドイツ型の書店を作り、そのために最適化された取次を新たに立ち上げることを考えても良いのではないかと思いました。

 

 例えば物流はトーハンのインフラを使い、事前予約できるツールを作り、書店との取引条件や返品枠など設定する。既存取次には難しいことを、新しい会社で実験してみるのです。いまは出版社が決めた刷り部数が軸になって取次の仕入れ部数と書店の配本数が決まる川上指向の仕組みですが、それとはまったく逆の、書店が売れないと思えば「0」を示す書店起点での意思決定の仕組みを作る必要があるのではないでしょうか。

 

 古谷 当社も「TONETS―V」など書店の発注システムや、注文品を迅速に取り寄せる「ブックライナー」など、既にいろいろな仕組みを提供しています。これから作っていくマーケットイン型の新たな流通体制に向けて、既存の機能を整理して活用していくこともできると思います。

 

 竹中 今の日本の書籍価格と正味体系では、ドイツのような「即納サービス」は難しいですが、例えば、ドイツのように「書店が取次に発注すると書店マージンは30%で翌日入荷」、「出版社に直接注文するとマージンは40%で5日後入荷」など、対価に見合ったサービスを提供するスキームを作れないかと思います。

 

業界の現状・今後を外にアピールしたい

 

 井之上 いま書籍流通についていろいろなマイクロビジネスが登場していますが、やはり業界を俯瞰してグランドデザインを描くことができるのは、書店・出版社と双方に口座を持ち、流通量もある当社のような存在だと思っているので、試行錯誤になるとは思いますが、われわれ取次がモデルを作っていく必要があると思います。

 

 また、BDBでは市場調査のデータを示して読書の必要性を訴えていたりしましたが、日本では出版業界の現状や陥っている危機的状況について、業界の外にうまくアピールできていないと感じます。


 いまはツィッターやフェイスブックなどもあるので、アピールは自分たちにもできるのではないかと思います。もちろん業界の課題だけではなくて、本の面白さなども含めて、業界の一人一人が発信することも大事です。自分自身も行動していきたいし、そういう仲間を作っていきたいと感じました。

 

 古谷 取次の人間は一般読者に向いてあまり情報発信してこなかったので、ネットニュースやブログなどの記事に違和感を持つこともあります。正しい現状と、それに基づいた方向性を発信していかないと間違ったことが伝わってしまうと感じることもあります。

 


左から井之上氏、竹中氏、古谷氏

 

井之上康浩(いのうえ・やすひろ)氏
 1987年東京都町田市生まれ。2010年慶應義塾大学商学部卒後、トーハン入社(書籍部配属)。年経営戦略部、17年大学院派遣研修(早稲田大学大学院経営管理研究科)、18年営業統括推進部、19年AI推進担当アシスタントマネジャー

 

竹中康子(たけなか・やすこ)氏
 1984年石川県生まれ。2007年立教大学文学部卒後、トーハン入社(書籍部配属)、18年物流統括部、19年物流統括部アシスタントマネジャー

 

古谷孝徳(ふるや・たかのり)氏
 1986年神奈川県生まれ。2010年慶應義塾大学文学部卒後、トーハン入社(神奈川支店配属)。12年経営戦略部、16年大学院派遣研修(早稲田大学大学院経営管理研究科)、17年プラットフォーム事業部、18年経営戦略部、同年秘書室アシスタントマネジャー

 


大手取次リブリの流通センターについて説明する同社のブラマイスター氏

 リブリ(Libri)=ドイツで40%のシェアを持つ書籍取次。ドイツ中心部に当たるバート・ヘルスフェルドに流通センターを置く。取引先はドイツをはじめとして世界で4000~5000店舗。書店が18時までに発注すると、翌朝6時までに店舗内まで配送する「即納サービス」を実施。即納対象の在庫は100万タイトル。POD事業は子会社Books on Demand(BOD)が行っており、330万タイトルのデータを保持し即納に対応している。

 

 ドイツ図書流通連盟(BDB)=出版社、取次、書店が加盟する業界横断の出版業界団体。出版社の95%、取次関係企業のすべて、書店の90%が加盟。本部事務局の職員は40人、事務局の主要な仕事はロビー活動。事業はISBNエージェンシーで書籍データベース「VLB」などを運営するマーケティン会社のMVB、フランクフルトブックフェアを運営するフランクフルターブッヒェメッセ、書籍業学校を運営するメディアキャンパスの3社の子会社が行っている。