日書連の新会長に矢幡秀治氏(真光書店)が就任

2019年6月21日

 

抱負を語る矢幡会長

抱負を語る矢幡会長

日本書店商業組合連合会(日書連)は6月20日、東京・千代田区の書店会館で第31回通常総会を開催し、任期満了に伴う役員改選を行い、矢幡秀治理事(真光書店・東京)を会長に新任した。

 

矢幡会長は1967年生まれの51歳。慶應義塾大学大学院理工学部を卒業し日立製作所に入社、2002年に夫人の実家だった真光書店に入社し、12年から代表取締役社長を務める。11年に東京都書店商業組合の理事となり、今年5月に理事長に就任した。日書連会長には総会当日理事に選任されそのまま就任。副会長を経ずに会長に就任したのは初めて。真光書店は東京都調布市の京王電鉄・調布駅近くの真光書店ビルの2フロア105坪で営業している。

 

役員改選では、矢幡理事が会長に就任したほか、渡部満理事(教文館・東京)、春井理事を副会長に新任。鈴木喜重理事(ときわ書房・千葉)、藤原直理事(金港堂・宮城)、中山寿賀雄理事(好文堂書店・長崎)、面屋龍延理事(清文堂書店・大阪)、柴﨑繁理事(王様書房・東京)を副会長に再任。本間守世(本間書店・東京)、西村俊男(文信堂書店・新潟)の両副会長は退任した。

会長就任を受けてあいさつに立った矢幡会長は業界を発展させたいとし、「みなさんと一緒に諸問題を改善していきたい。方針はない。今日承認した事業計画案の通りにやるべき。舩坂会長が果たせず悔しがっていたことまずは根ざしたい」と姿勢を示した。

 

そのうえで、「人間は昔から紙の本を読んでいる。紙の本を読むというDNAがあるので、本はなくならない。なかでも、いい作品は紙の本で残っている。紙の本をもう一度再生していく気持ちでいる。この気持ちを持ち続けながら、2年間取り組んで行きたい」と所信を述べた。

 

退任した舩坂良雄会長(大盛堂書店・東京)は、「私ひとりで6年間を全うすることは難しかった。温かい力添えがあったからこそ、前に進むことができたが、成し遂げられなかったこともあった。大きな山を崩すことができなかった。次の会長には、言いたいときに言いたいことを言える関係を作った方が良い。その中で、主張したいことは主張し、私たちがのめるところはのむ。そういった関係の中で組合の活動を大きな流れにしてもらいたい」と話した。

 

総会は、会員総数45人中、出席37人、委任状出席2人、書面出席3人の合計42人で成立。議長に春井宏之理事(正文館書店・愛知)を選任し、第1号議案から第8号議案を審議・承認した。

 

第1号議案の事業報告では、指導教育委員会から「書店経営の環境改善に向けた取り組み」として、粗利益率30%以上の実現に向けて課題解決を出版業界3者で協議する「書店環境改善『実務者会議』」の活動経過、出版社・取次訪問活動を実施し、日書連の実務者会議WGによる「出版業界3者『実務者会議』への試案」を示し、書店経営を維持するための施策などについて提案したことを報告した。