河出書房新社、志ん朝CDブックを書店マージン35%で予約開始へ

2019年4月12日

 河出書房新社は新発見の音源をCDに収めた『古今亭志ん朝 二朝会CDブック』(本体3万円)を今年9月に刊行するが、書店マージン35%の計画販売制として、4月中旬、チラシが書店に届くのに合わせて事前予約活動を開始する。

 二朝会は志ん朝と5代目春風亭柳朝が1969年から74年にかけて行った落語会。収録する全29席のうち27席が初出音源で、「らくだ」「紺屋高尾」など7席が初商品化演目となる。

 商品は29席をCD16枚に収め、愛蔵本(B5判/?)とCDブック2冊(B5判/CD8枚組×2)を化粧箱に収める。

 同社は2012年に『古今亭志ん朝 大須演芸場 CDブック』(本体4万円)を発売したが、今回、その時代より前の30代の志ん朝による高座は、張りのある声と華やかさが際立っている。「落語ファンの間では伝説となっている超レアな音源」(同社営業第一部第二課・小尾友宏課長代理)だという。

 『大須演芸場 CDブック』は初版6000部の予定だったが、事前予約の多さで7000部に増やして発行し、これまでに5刷9000部に達している。関係者の間でも、もう未発表音源はないといわれていただけに、今回の新発見音源の商品化は注目を集めそうだ。

 初版発行部数は6000部を予定。同社は「今回もあわよくば発売前に初版の増部を、という勢い」(小尾課長代理)と事前予約活動に力を入れる方針で、特価2万7000円、初回出荷分には志ん朝の自画像をデザインしたトートバックを付けるといった予約特典を予定する。

 また、計画販売制は書店入り正味65%、返品する場合は正味50%の歩安入帳とすることで、書店に35%のマージンを提供する。

 注文量による報奨金ではなく計画販売にした背景には、『大須演芸場 CDブック』で書店からの予約注文の約8割が3部以下と、小規模書店での受注活動が大きな力を発揮したことから、「1冊ずつの客注を積み上げてくださる書店さんの尽力に平等に応えるため」(小尾課長代理)という思いがある。

 早期予約を喚起するため、4月中旬にチラシが店着するのに合わせて事前予約をスタート。5月中旬にはパンフレットとポスターを提供し、音源の試聴ができる特設ウェブページも開設する。予約締め切りは7月31日。