講談社、大江健三郎全小説の刊行開始

2018年7月12日
 講談社は7月10日から、創業110周年記念企画として『大江健三郎全小説』(全15巻)の刊行を開始した。

 同書には、雑誌初出以来、一度も書籍化されたことのない7編の短編や、入手困難な6編の短編を収録。特に1961年の発表以来、政治的理由によって封印されてきた「政治少年死す」が初めて書籍化される。

 第1回配本のは「政治少年死す」ほか、雑誌発表以来一度も書籍化されたことない短編3編を収録した第3巻と、ノーベル賞受賞の理由となった代表作「万延元年フットボール」と伊坂幸太郎も大きな影響を受けたといわれる「洪水はわが魂に及び」を収録した第7巻を同時発売。以降9月から毎月1冊刊行する。

 全巻予約者には、9月30日当日消印有効で、著者直筆サイン色紙、直筆原稿レプリカ(『晩年様式集』冒頭部分1枚)、『群像』連載リレーエッセイ「大江健三郎」集成(現役作家12人による?大江健三郎体験?エッセイをまとめた24ページの小冊子の予定)を贈る。

 装丁は鈴木成一デザイン室、A5判上製函入り、3巻と7巻は本体5000円、以降各巻本体5800円、全15巻揃い本体8万5400円。