河出書房新社、『サピエンス全史』の続編9月上旬刊行

2018年6月1日
 河出書房新社は5月29日、東京・新宿区の日本出版クラブ会館で「2018年度企画説明会」を開き、メディア・広告関係者を対象に、2016年に刊行し63万部のベストセラーになっている『サピエンス全史』の続編で、9月上旬刊行を予定している『ホモ・デウス』などについて説明した。小野寺優社長は大型外商企画に予約販売を徹底して取り組む考えを強調した。

 説明会には関係者のほか「河出クラブ」会員10人も招き、今年秋にかけて刊行する新刊の主要企画について編集、営業の担当者が説明した。

 ユヴァル・ノア・ハラリ著/柴田裕之訳『ホモ・デウス』は、15年にDvir社がヘブライ語版、16年にイギリスのHarvill&Secker、17年にアメリカのHarperが英語版を刊行。既に世界35カ国以上で400万部以上発行されている。

 日本語版は翻訳を完了しており、この日は冒頭部分の抜粋を掲載したパイロット版が配られた。上下巻で体裁は四六判、上巻272?、下巻296?、予価各巻1900円を予定している。

 小野寺社長は『サピエンス全史』が上下巻と電子書籍累計で63万部に達し、直近1年間で20万部重版をしていることから「この時代において貴重なロングセラーとなっている」と報告。

 新作について「パイロット版を読んでもらえば、大作映画の幕開けのようなわくわく感を感じていただける。人類の未来に向けて、著者が定立する問題の深さを垣間見ることができる」と紹介した。

 このあと大型外商企画について、「一定の評価を得たが、事前予約を固めて刊行するという大型外商企画の在り方からすると、営業活動面でやや課題が残った」と述べた。

 その上で、「本年はヴィジュアルの大型企画の原点に戻り、全国の販売会社・書店の協力を得て事前予約活動を行い、事前に予約を固めたうえで刊行する。本来あるべき、大型外商企画にチャレンジする」と宣言。

 企画ごとに営業担当チーフを決めてスケジュールを確定させる体制を整えることを報告し、この日の企画説明は営業担当チーフが行った。

 また、説明会に同社も多くの大型企画を刊行している世界的なヴィジュアル本出版社DK社(イギリス)から、エマ・ジェイムス国際出版ライセンス部部長・マーケティング責任者も参加。「河出書房のおかげでDK社の本は日本で大きな売り上げをあげている。強い営業力に敬意を表する」とあいさつした。

 このあと、ヴィジュアル本の『グレイトネイチャー 生きものの不思議大図鑑』、『料理の科学 大図鑑』、『JOURNEY 旅と冒険の世界史大図鑑』、伊能忠敬没後200年企画、文芸書として橋本治『落語世界文学全集』、須賀敦子『須賀敦子の本棚』全9巻、角田光代『源氏物語 中』、エブリスタとの共同企画「5分シリーズ」、辻仁成『真夜中の子ども』、『絶望キャラメル』島田雅彦、町田康『ギケイキ』について説明した。