創元社、世界の「風」を伝える大人の絵本を発刊

2018年4月10日
 【関西】創元社(大阪市・矢部敬一社長)は、累計20万部を数える「世界を旅するイラストブック」シリーズ第6弾『窓から見える世界の風』(福島あずさ著/nakaban絵)を初刷り8000部で発刊した。

 神戸学院大学人文学部講師で気候・気象学研究者の福島氏が世界50ヵ所から風の名前を集め、歴史・文化的、気象学的に解説し、画家のnakaban氏が、窓から眺めた風景、カーテンの揺れ具合や窓のデザインに土地の臨場感を感じさせるイラストと詩を添えている。

 同社編集部の内貴麻美さんは、「見えない風を本という媒体で伝えるのはチャレンジだった。それぞれの土地の人が、目に見えない風に対して親愛や畏怖の念をもって名前を付けてきた。神話や歴史書、文学作品の中にも出てくる風を、本書のように描いた類書は見当たらない。世界を旅する気持ちになり、幅広い人に楽しんでいただける」と話す。書店には「ライトエッセイ、画集、気象学など様々なコーナーで展開でき、nakaban氏によるハガキ大のPOP4種類も用意している。原画展や著者によるイベントなども提案したい」と推奨している。

 1冊1テーマで言葉と世界の多様性をイラストとともに楽しむことができる同シリーズは「日常生活にある豊かさを感じられる大人の絵本」と好評で、パネル展や原画展を行う書店、ギャラリーが増えている。

□B5判変型上製/112?/本体1600円