絵本作家・長田真作が満島真之介と対談

2017年12月7日

 絵本作家の長田真作氏と10代からの友人で俳優の満島真之介氏の書店員限定トークショー「子どもと本気で向き合う」が12月6日、東京・渋谷区のクラブヒルサイドサロンで開かれた。

 長田氏は2016年に『あおいカエル』(リトルモア)でデビューし、同年『タツノオトシゴ』(PHP研究所)、『かみをきってよ』(岩崎書店)を刊行。17年もすでに絵本6点を刊行している。トークショーは長田の著書を出す方丈社、現代企画室、国書刊行会が開催した。

 広島出身の長田氏と、沖縄出身の満島氏は、いずれも高校卒業直後に上京し、偶然同じ特別支援の学童保育でスタッフとして出会い、以来 違う分野で活動を広げながらいまも親交が続いている。

 トークショーでは「話すのが好き」というふたりが、学童保育時代の子どもたちと遊んだエピソードや、さまざまな子どもたちの反応、その中で感じたこと、自身の人格形成への影響などを時間いっぱい語った。

 その中で、絵本について長田氏は「絵も文章もあって海外の人でも入ってくることができる寛容ですごく面白いもの。児童書に収まりきれない広義な意味での絵本を愛している」と話し、「その思いを受け取ってくれる出版社と本を作っている」と児童書の出版社以外から多く刊行していることについて語った。

 また、満島氏はTSUTAYAのレンタルビデオコーナーでアルバイトしていたことを話し、書店員について「本屋で働いている人には明確な意志があると思う。バイトで本屋を選ぶ人は時給や待遇だけではないなにかがあると感じていた」と発言。

 長田氏は書店の絵本コーナーについて「他のジャンルとは違った特別な空間にしてほしい。絵本の寛容さを体現するような、『おいでよ』と呼んでいながら凄みのある、どんどん巻き込まれて絵本と交わるような風景を見てみたい。書店や図書館が行きたくてしょうがない、ワクワクする場所になるのが僕のテーマでもある」と述べた。

 満島氏は「書店員が1カ月間自分の好きな本を並べる棚を作ってはどうか」と提案。「本屋なら自分が楽しんで、まったく違うものもできるのではないか」などと述べた。最後にふたりは参加した書店員に向けて「呼んでくれればどこでも行きます」とエールを送った。

 なお、18年1月5日から、東京・渋谷区の渋谷ヒカリエ8/01/COURTで、長田氏の絵本を刊行した出版社6社が「GOOD MAD 長田真作 原画展」を開催する。長田氏を評価する絵本作家の五味太郎、集英社で「ONE PIECE」を担当する服部ジャン=バティスト哲、長田氏デザインの新作を来年発売予定のファッションブランドOURETの増田伸也の各氏との対談も予定している。

詳細http://www.hikarie8.com/court/2017/10/good-mad.shtml