河出書房新社、真贋論争のゴッホ未公開スケッチ画集刊行へ

2017年3月23日
 河出書房新社は4月20日取次搬入予定で、昨年発見されたゴッホの未公開スケッチ65点を収録した『ファンセント・ファン・ゴッホ―失われたアルルのスケッチブック』を大判、本体1万円の豪華本として初版5000部予定で発行する。収録されるスケッチはヨーロッパで真贋論争が起きており世界的な話題になっている。

 原書はフランスのスイユ社が昨年11月に刊行したが、その直後にオランダ・アムステルダムのゴッホ美術館が贋作だと指摘。著者や発行者が反論するなどいまでも真贋論争が続いている。

 河出書房新社は原書刊行前に版権を取得。真贋論争については?発見されたスケッチ65枚はその真贋を巡って世界的な専門家が意見を表明するほど高いレベルにある?真贋論争がすでに世界的な話題となっている以上、日本の読者にもその作品を確かめる機会を供したい?未公開スケッチの真贋にかかわらず、本書が書物として非常に魅力的であること―から刊行を決めた。

 発見されたスケッチは、ゴッホが南仏アルルに滞在中にスケッチブックとして使っていた会計帳簿に描かれており、同地のカフェの食器棚に眠っていたという。画集はスケッチを原寸に近い大きさで収録し、美術史家の著者ボコミラ・ウェルシュ=オフチャロフがそれぞれを詳細に分析・解説している。

 同社では全国の書店、外商部にチラシ・注文書の配布し、受注活動を進めている。

□B4変型判上製/オールカラー/280?