【海外レポートアメリカの書店?】マクナリー・ジャクソン書店

2016年5月18日

McNally Jackson Books(マクナリー・ジャクソン書店)

オンデマンドビジネスを成功させた独立系書店

 2004年にサラ・マクナリーによって創業された。1階と地下1階で約170坪。

 2011年2月にオンデマンド出版システムEspresso Book Machine(エスプレッソ・ブック・マシン)を導入したが、2014年までに35,285冊を制作したという。

 書店でPODビジネスを成功させているのは世界的に見ても珍しいが、このうちの9割がセルフパブリッシング(自費出版)であり、顧客の8割が近隣の住民だという。

 アメリカではもともとセルフパブリッシングが盛んで、アマゾンのダイレクトパブリッシングなどオンラインサービスも多いが、「マクナリー・ジャクソンで本を出したい」というお店のファンが多いという。

 棚ごとに仕入を担当するバイヤーが配置されているほか、全体の商品構成をみる担当者も雇っている。商品構成や店作りには、オーナーのサラの意向が強く反映されている。

 週に4回は著者の朗読イベントなどを開催するため、地下の棚は可動式になっている。著者のイベントは、半分は出版社やエージェントからの働きかけ、残りの半分は同書店からアプローチする。イベントをコーディネートする担当者を配置している。同書店が著者に謝礼等を支払うことはない。

 創業以来、成長を続けており、サラは同じソーホー地区に文具専門店を開店したほか、2017年にはマンハッタンとブルックリンに本店と同規模の書店をオープンする。(星野渉)

所在地=52 Prince St, New York, NY 10012