【海外レポート・アメリカの書店?】バーンズ&ノーブル ユニオンスクエア店

2016年4月6日

Barnes & Noble - Union Square(バーンズ&ノーブル ユニオンスクエア店)

日本の大型書店のモデルにもなった有名店

 ニューヨーク市内最大の1500坪を擁する大型書店。90年代には椅子や机、ソファを配した居心地の良い空間と、スターバックスカフェ、キッズコーナーを備えた「スーパーブックストア」として全米に展開した。

 当時、日本からも多数の書店人が視察に訪れ、その後、日本でも増えた椅子やキッズコーナーを備えた1000坪超の大型書店のモデルとなった。

 しかし、近年はアマゾンをはじめとしたオンライン販売との競争などで収益力を落とし、2000年代には急激に店舗数を減らしている。

 そうした環境変化に対して自ら電子書籍「nook」を開発し、ユニオンスクエア店にも大きな売り場を設けている。しかし、この事業も圧倒的なシェアを誇るKindleとの競争で厳しい状況が続いており、むしろ2015年は店頭の書籍販売が微増していても電子書籍事業が足を引っ張る状況になっている。

 ユニオンスクエア店もかつてのような長期滞在型の椅子やソファーはほとんどみられなくなり、児童書コーナーの隣には巨大な玩具売場が設けられている。日本から視察に訪れた出版、書店関係者はこの光景を見て嘆息するが、玩具業界関係者は玩具の新たな販売チャネルとして同店の推移を注目している。(星野渉)

所在地=33 E 17th St, New York, NY 10003