アドビ、電子出版ソリューション「ADPS」7月からサービス開

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2011年6月1日
アドビシステムズは5月25日、電子出版ソリューション「Adobe Digital Publishing Suite(ADPS)」を採用した大日本印刷(DNP)が山と溪谷社と共同制作する女性向けアウトドア季刊誌『Hutte(ヒュッテ)』vol03の電子版配信を5月9日から開始したことを発表した。またアドビシステムズは、ADPSのプロフェッショナルエディション、エンタープライズエディションのサービスを7月下旬から日本市場で提供する。『ヒュッテ』電子版は4月26日に発売された紙版と同時進行で制作。データを端末サイズに変更するだけでなく、360度ビューやスライドショー、動画などインタラクティブな機能を組み入れたデジタル雑誌として紙版とほぼ同時に配信している。ADPSは?InDesignCS5/CS5・5を使い紙媒体と平行したワークフロー?紙媒体では実現できないインタラクティブなコンテンツと広告の作成?コンテンツと広告の効果測定?単体アプリや定期刊行物など柔軟な販売モデルを可能にする。現時点で世界324媒体がADPSを使って発行されており、国内では『ヒュッテ』のほか、『Golf Today』(ゴルフトゥデイ社)、『Milk Japon』『atm.』(amanainteractive)、『YOGA WITH YOU』(Lotus8)などの媒体がある。ADPSは利用目的などに合わせた三つのエディションで提供を予定。中小規模の出版社や一般企業がコンテンツをアップストアやアンドロイドマーケットで販売・配信することに対応する「プロフェッショナルエディション」。大手出版社が自社運営サイトやサードパーティーのサイト向けにカスタマイズできる「エンタープライズエディション」。そして印刷会社、制作会社、広告会社など、自社でコンテンツを持たず、制作を請け負い、サービスを代行する「エージェンシーエディション」で、これは発売時期などを現在検討中。価格は販売が代理店経由となるため参考だが、プロフェッショナルエディションが、年契約でプラットホーム利用費60万円。これには5000ダウンロード(DL)分費用、サポート費用込み。発行できる媒体数・アプリケーション数に制限はない。また5000DLを使い切った際にはサービス費用として2万5000DLまで62万5000円(25円/DL)、25万DLまで425万円(17円/DL)、50万Dlまで700万円(14円/DL)が必要になる。エンタープライズエディションは、見積もりとする予定。また、InDesignCS5/CS5・5があれば、Acrobat・comを使ってFolioファイルの作成を無償で試すことができる。