出版対策本部「虹のライブラリー」開設

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2011年5月20日
〈大震災〉出版対策本部(日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本出版クラブ)は5月14日、東日本大震災などによる避難者が利用する東京・千代田区の旧グランドプリンスホテル赤坂3階のラウンジに、読書環境の提供に向けた期間限定の図書館「虹のライブラリー」を開設した=写真。対策本部としての図書館の展開は初の試み。寄贈を受けた高さ900?、幅1800?の棚13本や雑誌ラックなどで壁面沿いに書架を構成。そこに各出版から寄贈を受けた本5000冊を収蔵。本の内訳は、児童書1300冊、コミックス1300冊、雑誌・書籍2400冊。今後の追加も想定されている。開館時間は7?21時まで。本は2冊までの貸出で、雑誌、コミックスは閲覧のみの利用。本の仕分け、発送、棚づくりには、神奈川大学藤本ゼミ学生がボランティアとして協力した。目立った告知はしなかったというが、初日は60?70人の利用者が来館。妊産婦や乳幼児連れ母親の姿が目立ち、マタニティ誌や育児誌のリクエストが多かったことから、今後は育児書などの棚を早急につくるという。また、利用者から、雑誌や人気コミックスへの要望が多かったことから、主催者側では出版社に対して「雑誌やコミックスの提供をお願いしたい」と要請している。なお図書館「虹のライブラリー」は施設の使用期限である6月30日まで。それ以降は東京・新宿区の西戸山第二中学に本などを移し、整理したうえで再度図書館としての使用に取り組みたいとしている。