総務省の電子出版事業公募に29近くの応募

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2010年10月8日
総務省は今春、文部科学省、経済産業省とともに開催した「デジタルネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」(3省デジ懇)の報告書に基づく「具体施策の方向性とアクションプラン」のうち7項目について、平成22年度「新ICT利活用サービス創出支援事業」として公募し、9月24日に締め切った。公募には29件近い応募があったという。同省ではこの事業に8億円規模の予算を組んでおり、今後、10月下旬までに委託先の選定を行う。受託団体は12月までに中間報告、翌年3月までに報告書をまとめる。公募したのは?国内ファイルフォーマットの共通化に向けた環境整備?書誌情報フォーマットの確立に向けた環境整備?メタデータの相互運用性の確保に向けた環境整備?記事、目次等の単位で細分化されたコンテンツ配信等の実現に向けた環境整備?電子出版のアクセシビリティの確保?書店を通じた電子出版と紙の出版物のシナジー効果の発揮?その他電子出版の制作・流通の促進に向けた環境整備―の7項目。関係者などによると、出版業界からは、「国内フォーマットの共通化に向けた環境整備」について日本電子書籍出版社協会が、「書誌情報フォーマットの確立に向けた環境整備」については日本出版インフラセンター、NTTコミュニケーションズ、数理計画を共同提案者に日本書籍出版協会が代表提案者として応募。「記事、目次等の単位で細分化されたコンテンツ配信等の実現に向けた環境整備」については伊藤忠テクノソリューションズを共同提案者に日本雑誌協会が代表提案者で、「電子出版のアクセシビリティの確保」については電通、京セラ丸善システムインテグレーション、日立コンサルティングを共同提案者に電子出版制作・流通協議会が、「その他電子出版の制作・流通の促進に向けた環境整備」については出版文化産業振興財団が、さらに日本電子出版協会、アンテナハウスを共同提案者にイーストが応募した模様。競合する公募も複数あるという。「メタデータの相互運用性の確保に向けた環境整備」と「書店を通じた電子出版と紙の出版物のシナジー効果の発揮」については業界団体からの応募はなく、?にはソフトウェア開発会社のインフォシティーなどが応募をしている。