NDL、全国書誌を書誌データのインフラに 会議にJPO、トー

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2010年3月4日
国立国会図書館は3月3日、東京・千代田区の同図書館で、出版業界団体、図書館団体、出版書誌データ作成機関の代表者を集めて「日本全国書誌の在り方に関する検討会議」を開催し、全国書誌(電子版はジャパン・マーク)が出版・書誌情報の基本インフラとして機能するよう、今後、実務者レベルでの協議を開始することを確認した。検討会議には国会図書館から長尾真館長、田屋裕之収集書誌部長、団体から全国公共図書館協議会・関口栄一事務局長、日本書籍出版協会・小峰紀雄理事長、日本書店商業組合連合会・大橋信夫会長、日本図書館協会・松岡要事務局長、文字・活字文化推進機構・肥田美代子理事長、出版書誌データ作成機関から日本出版インフラセンター・佐藤隆信理事、トーハン・山?厚男社長、日本出版販売・橋昌利専務、図書館流通センター・谷一文子社長、そしてオブザーバーとして全国学校図書館協議会・森田盛行理事長が参加した。はじめに長尾館長が、ジャパン・マークがより広く利用されるべきだとし、現在は利用者の要求に応えられていないので改善が必要だとの考えを示した。続いて、田屋部長が「日本全国書誌とJAPAN/MARC―その歴史と役割」と題して説明。作成機関が現状を報告し、各団体が考え方を表明したうえで、「出版・書誌データの作成・流通体制の整備について―出版文化の基礎として」をテーマに意見交換を行った。この中で、図書館側からはジャパン・マークが整備され、無償ないしは低価格で提供されることを望む意見があったのに対して、出版流通の現場では正確性と迅速性が必要とされること、多くの出版社が事前に情報を提供する状況にないことなど課題が示された。最後に?2010年の国民読書年にちなみ、出版文化の基礎となる出版・書誌情報の重要性を認識し?納本制度に基づく我が国の出版物の網羅的収集と保存を使命とする国立国会図書館の書誌データ整備をさらに充実したものとし、その利用と普及がより促進され?我が国における出版・書誌情報における基本インフラとして機能するよう?出版、流通、書店、図書館、書誌データ作成機関等が協力・連携を強化する?その実現にあたっては、関係者による実務協議の場を設置し、詳細な点を検討する―との事項を確認した。日本全国書誌(JAPANESE  NATIONAL BIBLIOGRAPHY) 1年間に日本で刊行された出版物の目録で、電子化したもの(機械可読版)をJAPAN/MARC(Machine Readable Cataloging)という。国立国会図書館法で1年ごとに同図書館が作成することが定められている。海外では同様のデータが図書館などのデータベースとして利用されているケースが多いが、JAPAN/MARCは作成に時間がかかり、実際の図書館は図書館流通センターや取次などが作成したMARCを購入している。