中央社、書店研修会を開催 久住氏が「町の本屋の挑戦」で講演

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2010年1月12日
中央社共栄会と中央社共催による書店研修会が1月8日、東京・板橋区の同社3階会議室で行われ、北海道書店商業組合理事長を務める久住書房・久住邦晴社長が「町の本屋の挑戦」と題して講演した。研修会には会員書店、出版社、その他の計約100人が出席。はじめに風間賢一郎社長が「昨年6月から11月までの上半期、売り上げは前年同期比7%増、返品率は2・4%改善できた。これは書店とタッグを組み、出版社と1冊1冊吟味しながら配本し、読者の目線に立って一歩一歩やってきた成果。それ以外の何者でもない。しかし下半期もこのまま推移するとは思っていない。1日たりとも油断することなく1冊でも多くの本を読者に買ってもらうため施策を打っていく」とあいさつした。久住社長は、「堅実な商売を続けてきたが6、7年前、自店から最寄りの地下鉄の路線が延長されて琴似駅を通過するようになり、人の流れが大幅に変わって売り上げが落ち続け大変な危機が訪れた。あらゆる努力をしてきたが2割減が続いていた」と当時の状況を振り返った。「社員を集めて、資金がなくなるため閉店せざるを得ないと説明。諦めず、もがきながら店内にあるビジネス書を読んだが、すぐにためになるものは1冊もなかった。その時にある小冊子に『あなたの会社が90日で儲かる』(フォレスト出版)が紹介されており、人を集める方法について書かれていた。まだ取り組んでいなかったことなので、気が付いて希望が湧いた」と述べた。その後、放送局・広告代理店の知人に聞くと?マスコミを動かすこと?経営者(久住社長)を売り込むこと、とのアドバイスを受け、03年10月に「なぜだ!?売れない文庫フェア」に取り組み、「ちくま文庫」800点と売れ行き順位1500位から最下位までの「新潮文庫」700点の計1500点で実施。「北海道新聞が取材してくれて、テレビ局にも報道していただいた。文庫はすべて売れ、売り上げは前年同月比15%増となった」ことを紹介。その後も、店内でマイクを使っての朗読会開催、「本屋のオヤジのおせっかい、中学生はこれを読め!」を実施し他県へも広がりをみせ、ブックカフェをオープンしたことなど、新たな取り組みについて触れた。昨年9月30日に札幌市西区琴似から同市厚別区大谷地東に移転し、売り上げも好調に推移。新たな企画として「高校生はこれを読め」に取り組むと述べた。終了後、会場を移して懇親会が行われた。