書店店頭で電子立ち読み実験 日書連、「ためほん」を全国11書

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2009年10月28日
日本書店商業組合連合会は11月3日から5カ月間、書店店頭でコミックの試し読みができる電子情報端末「ためほんくん」の稼働実験を、傘下の11書店でスタートする。コミックを刊行する出版社5社がコンテンツを提供する。「ためほんくん」は18・5インチのタッチパネル方式のPC画面上で、?動画も含む出版社からの様々情報を流す(デジタルサイネージ機能、1時間ごとの変更が可能)?画面のボタンをタッチしながら作品を選択することで、その作品の一部が試し読みできる?新刊発売日などの新刊情報、店頭キャンペーン情報を閲覧できる、機能がある。インターネットの常時接続で配信情報を制御しており、各「ためほんくん」に異なった情報を配信することができる。実験は?どのようなサイネージの配信なら効果があるのか?「ためほんくん」とその周囲に置く本の組み立てをどのようにすれば本の売り上げに効果があるのか?「ためほんくん」を通じどの程度の予約注文があるのか、など実験実施書店それぞれで多様なケースが行われる。出版社は、「ためほんくん」のシステムが普及することで、掲出率が低い書店配付ポスターなどの販促物について大幅なコストダウンも見込める。参加するコミック出版社は、秋田書店、講談社、集英社、小学館、白泉社の5社。各社がデジタルコミックとして電子化したコンテンツを提供する。当初は150点程度でスタートするが、順次増やす予定。試し読みできる分量は12?から1話まで。実験期間は10年3月までを予定。10月28日に東京・新宿区の日本出版クラブ会館で開いた記者会見で、日書連情報化推進委員会・井門照雄委員長(日書連副会長、丸三書店)は、昨年11月から携帯電話での実験を行ったことを紹介。今回の実験につて「どういうすればビジネスモデルとして成り立つのか宿題の答えを5カ月間の実験で見出し、コンテンツを書店店頭でも使える方法を探していきたい」と述べた。また同委員会・田江泰彦委員(日書連理事、今井書店グループ)は、実験の概要を説明し、「書店店頭でいかにデジタルコンテンツを有効に活用するのか本格的な実験になる」と述べた。さらに、デジタル化の流れの中でリアル書店のあり方を議論する中で「ためほんくん」が生まれたとし、店頭在庫検索システムと「ためほんくん」を連動させて発注につなげることや、店内にモニターを設け情報を提供したり、端末機を多数揃えて座って試し読みできるコーナーを設けるなど、将来のリアル書店のイメージを紹介した。〈参加店舗〉▽高島書房(福島県郡山市)▽ブックスページワンイトーヨーカドー赤羽店(東京都北区)▽大盛堂書店駅前店(東京都渋谷区)▽ブックスふかだ守口店(大阪府守口市)▽廣文館金座街本店(広島市中区)▽今井書店吉成サウンドスタジアム(鳥取県鳥取市)▽今井書店湖山メディア館(鳥取県鳥取市)▽今井書店錦町店(鳥取県米子市)▽今井書店本の学校メディア館(鳥取県米子市)▽今井書店グループセンター店(島根県松江市)▽今井書店出雲店(島根県出雲市)