講談社、桶川流通センター竣工 光文社と共同で利用

 | 
2009年10月20日
講談社は10月20日、埼玉県桶川市の「桶川流通センター」で竣工式を開催した。85年に稼働した上福岡流通センター(埼玉県ふじみ野市)以来25年ぶりとなる大規模物流拠点の再編となり、初めてグループ会社の光文社も同センターで物流業務を行う。同センターは、敷地面積約9000坪、延床面積約1万3000坪。A、Bの2棟建てで、講談社が利用するA棟は地上3階で約9700坪、光文社が利用するB棟は地上3階建てで約2600坪、事務所棟が4階約700坪。場所は首都高速埼玉新都心線の与野ジャンクションから17?、東北自動車道の久喜インターチェンジから12?だが、来年3月には圏央道の桶川インターチェンジが開通する。11月から光文社の物流がスタートし、講談社は年末年始にかけてコミックスを移動して来年1月から稼働、他の書籍はゴールデンウィークに移動する。両社はそれぞれ自社商品を管理し、講談社の商品管理は講談社ロジコムが担う。講談社はこれまでの上福岡センターで返品処理を行い、桶川流通センターでは出庫業務を行う。講談社ロジコムが運用するA棟は、1階に12カ所の出庫ゲートがあり、搬入された商品は3機ずつのバーチカルコンベアーと貨物エレベーターで2、3階に搬送。コミックスの出荷を行う2階は縦60?、横170?、天井高7・2?のスペースで、西側68列、東側48列の4段ラックを配置し保管能力は1100万冊。一般書・文庫・新書を出荷する3階も2階とほぼ同等のスペースで、全フロア合計で2950万冊の保管規模になる。特別なものは何も持たないコンセプト竣工式には施工業者や取次関係者などが参加。野間省伸副社長のあいさつに続き、岩崎正男桶川市長、施工業者のフジタ・上田卓司社長があいさつ。光文社・高橋基陽社長が「4?5年前に1つの物流拠点を計画していたが、講談社から一緒にやらないかと話をいただき、厳しい時代に物流の効率化には得策だと考えて受けた。これ以外のことでも、いろいろな形で業務連携していきたい」と述べ乾杯した。中締めのあいさつに立った岩崎光夫取締役は「将来、出版社の倉庫がどうあるべきかを考え、特別なものは何も持たないというコンセプトにした。最新の機器も完全オートマチックな設備もない。設備や機器で柔軟な対応ができなくなることを避けた」と述べた。