PACE、翻訳出版の支援を計画 ドイツでセミナーなど開く

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2009年7月2日
出版文化国際交流会(PACE)、日本書籍出版協会は6月30日、東京・新宿区の日本出版クラブ会館で「長谷川博孝先生講演会」を開催した。  PACEは国際ブックフェア参加プロジェクトを進め、国際交流基金とともに年15件程度のブックフェアに参加、日本の出版物を展示し、出版物を通じた国際交流を図っている。この事業充実のため、本年度は翻訳出版の支援を事業計画に謳い、10月に開催されるフランクフルトブックフェア会期中に、国際交流基金ケルン日本文化会館との共催で、翻訳出版の問題点について日独双方で意見を出し合うセミナーを計画している。さらに、日独修好150年の11年3月には、ライプチヒで続く企画を、同秋にフランクフルトで第3弾を構想している。講演会はこれら計画に先立って、08年に日本翻訳文化賞、レッシング・ドイツ連邦共和国翻訳賞を受賞した『モムゼン ローマの歴史(???)』(名古屋大学出版会)の訳者・長谷川氏を講師に迎え行われた。PACE・石川晴彦専務理事が翻訳支援事業について紹介するとともに、「翻訳出版事業支援といっても簡単に結論の出る問題ではなく、息の長い仕事と思って取り組みたい」と述べ、長谷川氏の講演となった。  長谷川氏は翻訳した『モムゼン ローマの歴史』などについて紹介するとともに、定年退職者は時間のあり翻訳ができる、と出版社に提案した。