羽鳥書店、初の新刊刊行へ 7月に高山宏、長谷部恭男など3点

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2009年6月25日
"今年4月に創業した出版社、羽鳥書店は7月に初の新刊3点を刊行する。同社は東京大学出版会で『知の技法』などを手掛け、今年3月で定年を迎えた羽鳥和芳氏と、同社で羽鳥氏とともに編集を担当してきた矢吹有鼓氏、そして東京大学生協の書籍部に勤務していた糸日谷智氏が立ち上げた。初の新刊となる高山宏『かたち三昧』、長谷部恭男『憲法の境界』は7月17日の搬入、山口晃『すずしろ日記』は同24日の搬入を予定。流通は八木書店と明文図書を通すほか、他の取次各社とも交渉中だ。東大出版で法律書や美術書などを手掛けてきた羽鳥氏は「まだ作りたい本、やりたい企画がたくさんあった」と創業の理由を説明する。周囲からは?出版不況の中で?といわれるが、「良い概説書や入門書はいつの時代でも必要とされます。研究、教育の蓄積を上手く表現できる人の本を作っていきたい」と考えている。さすがに、東大を中心とした著者のネットワークは広く、今後の刊行予定をみても内田貴、蓮實重彦などの名前が並ぶ。既に創業出版の3点には注文が入っているといい、「きちんと読者や書店に情報を伝えることが大切。不況といわれていても、大手出版社にはできないことができると思います」という。一方、営業を担当する糸日谷氏は、「本を売る立場から出版社に移ってみて、著者との距離が近いことに驚きました。これを書店にまで伝えていきたい。そして書店の担当者が力を付けるお手伝いをしたい」と書店出身ならではの感覚を大切にしている。9月以降は毎月1点の刊行を予定している。住所=東京都文京区千駄木5―2―13、電話03(3823)9320/FAX同9321http://www.hatorishoten.co.jp/"