千葉トーハン会総会でブックオフ株問題に言及

2009年5月19日

 千葉トーハン会の第40回総会が5月15日、千葉市中央区の京成ホテルミラマーレで行われ、トーハン・山?厚男社長は大日本印刷グループ3社、大手出版社3社がブックオフ株を取得したことについて懸念を示した。

 総会には会員書店22人、出版社60社72人、トーハンから山崎社長、清水美成常務取締役、その他の関係者計108人が出席。堀江明会長(堀江良文堂)はあいさつで、「大日本印刷の傘下にブックオフが入った。業界はこれまで以上に速い変化が起きるだろう。次の50回に向かって生き残れるよう頑張っていきたい」と述べた。

 議事では堀江会長が議長を務め議案を審議、いずれも承認可決した。

 祝辞あいさつで山崎社長は、当事者でなくコメントする立場でないとした上で「今後何を行い、何を行わないのかが不透明で、その点が懸念される。新刊書ビジネス、マーケットに対して阻害をもたらすような結果にならないように、我々も努力をしていきたいと思うし、そのための変革、再編については厭わない。変えていかなければならないことも多くあるが、新刊中心の業態発展に向けての変革が順序であると思う」と述べた。

 20年度決算に触れ、「減収は間違いなく、特別損失は増えている状況で厳しい決算。課題が多い」とし、今年度の施策である3つの方針として、エリア戦略の強化、責任販売の拡大、複合化の推進、を挙げた。

 最後に「会員書店とタッグを組んで、読者、消費者の購買意欲喚起につなげていきたい」とした。

 続いて元幕内力士の大至伸行氏が記念講演「大相撲―その世界」を行った。

 懇親会で清水常務が「市場、エリアの特長を掴み、臨機応変に商品施策を提案し、マーケットシェアの拡大を図っていく」と述べたあと、岩崎書店・今西栄一取締役営業部長が「出版不況だが、夢のある産業。夢に向かって真っ直ぐに進んでいくことが大事。文化の汎用性は未来にわたって続いていく」と述べ乾杯した。