第16回TIBF、800社の出展見込む 雑誌デジタル活用コーナーを新設

2009年4月14日

 第16回東京国際ブックフェア2009(TIBF09)の出展社説明会が4月13日、東京・江東区の東京ビッグサイトで開かれ、出展社が前回の763社から800社に増加する見通しが示されたほか、特設ゾーンとして新たに学術情報・データベース、「雑誌向け」デジタル活用支援、生活・趣味実用書、読書グッズ、パーソナルブックの各ゾーンを新設することが発表された。

 リードエグジビジョンジャパンの石積忠夫社長は「不況で真剣で活発なビジネスの場となる。積極的な準備で最大の成果に結びつけて欲しい」と述べた後、会社説明とブックフェアの概略を紹介した。

 フェアは7月9~12日、東京ビッグサイト西展示棟1・2ホールで10時~18時まで開催する。

 専門セミナーも例年の規模で実施するが、9日には東京大学大学院情報学環教授の姜尚中氏が「『悩む力』で“現代の古典”を発掘する」と題して基調講演。

 11日には本の学校運営委員会共催の特別講演「出版産業の課題解決に向けて―これからの取引・流通・販売のあり方とは」も開かれる。また、読書推進無料セミナーは、11日13時から「素敵な人生を送るために」を作家の林真理子氏が、12日13時から「茂木流『読書のすすめ』」を脳科学者の茂木健一郎氏がそれぞれ行う。

 説明会ではブックフェア実行委員会の小峰紀雄委員長(小峰書店)が、「来年は国民読書年。世界経済は大変な状況で、出版界にも影響が及んでいるが文字・活字の振興、読書推進が大事。ブックフェアも今回のみならず次回も盛り上げていきたい」と述べた。

 石積社長は出展社が増加する背景として、出版不況を乗り切るために、これまで以上に活用しようという機運が高まる、仕入れ権を持つ全国の書店関係者が来場するため会場で会える、学校・図書館関係者の来場も増加、海外の出版社が版権売買目的で来場していることを挙げた。

 来場者も前回の6万1384人から6万3000人に増加すると見ており、その背景として出展社が新商品を展示することで、来場するバイヤーが比較検討できることを挙げた。また、海外の来場者も前回1507人だったが、今回は1600人を見込んでいる。

 日本書籍出版協会・菊池明郎副理事長(筑摩書房)は閉会あいさつで、「昨年8年ぶりに読者謝恩の目的で出展した。掛かった費用と売り上げは同じくらいだったが、新聞広告と同じくらいの効果があった。ブース来場者は20~30代の女性も多く、新しい発見もあった。版権売買もタイと韓国の出版社と成約。来場者と直に話が聞けるというのは社員にとってもいい場であり、今後の編集企画のきっかけにもなる」と述べた。