学研、クロスメディア事業を本格開始 09年3月期で売上高30

2006年12月14日

 学習研究社は12月12日、新事業としてクロスメディア事業を本格的に開始すると発表した。今期22サイトを開設し、09年3月期には売上高30億円を目指す。

 

 教育、教養、実用、趣味、暮らし、エンターテインメントなど幅広いジャンルのコンテンツを出版、PC、携帯など複数のメディアで発信し、多様なコンテンツが、様々なメディアを通じて縦横にクロスする形を実現することで、事業拡大を推進する。

 

 今期は、女性向けSNSコミュニティサイト「クラッセ」(07年1月末頃)、学研教育総合サイト(07年2月上旬)など、リニューアルも含め雑誌や各事業と連動する22サイトを開設する。そのほか、リッチコンテンツの定期配信、携帯でのコンテンツ配信も行う。

 

 07年2月上旬からはオープニングキャンペーンとして、約3億円の宣伝費を投下して事業PRと各サイトへの集客を行う。

 

 また、同事業を支えるインフラとして、コンテンツの効率的なデジタル化のための「編集ワークフロー改革」を検討・実施していく。

 

 事業の主な収益の柱としては、広告収入、Eコマース、課金、コンテンツ配信・販売などを挙げている。

 

 初年度(07年3月期)は、ハードウェア、共通インフラ1億円、コンテンツ制作費6億円、プログラム制作費2億円、子会社設立投資3億円、宣伝費3億円の計15億円を投資。

 

 事業目標としては、07年3月期見込で売上高1億5000万円、売上原価/販売費9億5000万円、営業損失8億円、08年3月期計画で売上高7億円、売上原価/販売費10億円、営業損失3億円、09年3月期計画で、売上高30億円、売上原価/販売費20億円、営業利益10億円の業績に加え、09年3月で月間10億PVを掲げている。

 

 同日、東京・銀座の銀座東武ホテルで開催した記者説明会で遠藤洋一郎社長は「幅広いジャンルのコンテンツを中心に据えリアルとバーチャルをクロスさせた事業はこれまでにない挑戦で、リアルな出版事業でも大きな相乗効果が期待できる」としたうえで、徹底した集客で巨大なデータベースが集積されていく事にも言及し「新しいビジネスモデルが構築できると確信している」と述べた。